カタール・ワールドカップ(W杯)準々決勝でブラジルを下し、ベスト4まで駒を進めたクロアチア。人口410万人の国の代表チームはこれで3回目のW杯準決勝進出と、まさしく驚異的な強さを誇っている。
1991年に旧ユーゴスラビアから独立を宣言したクロアチアは以降、1998年フランス大会から7回中6回のW杯本選に参加(1994年のアメリカ大会はFIFAより代表チームとして認められず)。予選で敗退したのはイングランドとウクライナにグループ順位で上回られた2010年南アフリカ大会のみで、そのほかはすべて本選までたどり着いている。
驚くべきは、その6回のW杯で、3回もベスト4まで到達していること。1998年フランス大会で3 位、2018年ロシア大会で準優勝、そして今回の2022年カタールで準決勝まで進出と、50%の確率で4強に名を連ねている。
クロアチアが独立した1991年以降、彼らよりもベスト4に進出した回数が多いのは、ブラジル(94年、98年、02年、14年)、ドイツ(02年、06年、10年、14年)、フランス(98年、06年、18年、22年)のみ。以上3チームがクロアチアを1回上回り、またオランダが3回(98年、10年、14年)で並んでいる。しかし人口的にはブラジルが2億人、ドイツが8300万人、フランスが6750万人、オランダが1750万人と、いずれも410万人のクロアチアを上回っており、94年大会に参加していないこと含めクロアチアの凄まじさがさらに際立つ。
驚異のフットボール強国クロアチア。元代表選手マテ・ビリッチ氏は、スペイン『マルカ』に対して、その強さの秘密を次のように説明している。
「代表チームがプレーするときは、まるで国全体が戦っているようになる」
「クロアチアは身に纏うユニフォームのために戦い、苦しむとき、戦士へと変貌するんだ。もちろん彼らを打ち破ることだってできる。それは決して簡単なことではない。選手たちの誰もが、このユニフォームを着ているときには、絶対に気後れしてはならないとの理解があるんだよ」
「クロアチアの選手は競争者であり、闘士であり、勝者だ。存在するのは勝利、1位になることだけ。2位という概念は私たちの頭にない。明日、2位と言われるならば受け入れることになるが、それより前に2位という概念は存在していないんだ」
