イケル・ カシージャスのスペイン語でのニックネーム、「サン・イケル」は「聖イケル」という意味だが、そう呼ばれるには当然理由がある。
カシージャスは20年という常識外れの長いキャリアの中で、ミラクルを連発してきた。そして今また、チャンピオンズリーグ準々決勝、リヴァプール戦に向かう神聖な時間を過ごしている。
PSX37歳のカシージャスは、前所属のレアル・マドリーで、3度のチャンピオンズリーグ制覇と5度のラ・リーガ優勝を果たし、スペイン代表としてもワールドカップの優勝と2度のEURO制覇という、ほとんどの選手にとっては夢でしかないさまざまな栄誉を経験してきた。
現代の優れたゴールキーパーとしては、ジャンルイジ・ブッフォンやマヌエル・ノイアー、エトヴィン・ファン・デル・サールのほうが上だという批評家たちもいるだろうが、この3人のチャンピオンズリーグでの勝利数を全部合わせても、やっとカシージャスと同じなのである。
カシージャスは1999年、18歳でレアル・マドリーのトップチームデビューを果たした。チャンピオンズリーグの決勝で 、バレンシアを無失点に抑えてチームを勝利に導いたのは、19歳になったばかりのことだった。
この試合は、チャンピオンズリーグの怪物の誕生を告げるものだった。カシージャスはいまや、チャンピオンズリーグ通算最多出場試合数(175)を誇り、通算勝利数(101勝)もクリスティアーノ・ロナウドに並ぶトップタイである。
チャンピオンズリーグ出場174 試合のうち無失点試合が57試合というのは、ブッフォンとファン・デル・サール(ともに51試合)を上回り、決勝トーナメントで19試合の無失点試合を達成した唯一のゴールキーパーでもある。
Gettyカシージャスがチャンピオンズリーグ史上最高のゴールキーパーであることは間違いなく、ポルトをベスト8に導いたのも彼のパフォーマンスであった。
その輝かしいプレーを見られる日々が終わりに近づきつつあるなか、カシージャスは、オプションつきのポルトとの契約を1年延長。これにより、彼自身が引退を予定している40歳まで、ポルトガルでゴールを守り続けることが可能になったのだ。
そして現在、カシージャスは新記録となる20シーズン連続チャンピオンズリーグ出場を果たし、リヴァプール相手に、ヨーロッパ最大の舞台に立とうとしている。
しかし、カシージャスが重要な試合でスターティングメンバーに入らなくなり始めたのは、そう昔のことではない。レアル・マドリーを離れた後、昨シーズンはポルトの先発イレブンからも外れていた。
稀代のシュートストッパーとして、エスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウで全盛期を過ごしたカシージャスは、最初はディエゴ・ロペス、続いてケイロール・ナバスとの正キーパー争いに負けるようになり、2015年に体力の衰えとストレスから、“都落ち”を余儀なくされた。
当然、カシージャスの黄金時代は終わったと考える人は多かった。プリメイラ・リーガを27回制覇したチームではあったものの、ポルトに加入した最初の2シーズンはリーグ優勝をベンフィカにさらわれることともなっている。
さらに昨シーズンは事態が悪化。練習中のパフォーマンスをセルジオ・コンセイソン監督に批判されたことに激怒したカシージャスは、トップチームから締め出されたのである。
当時、指揮官は「期待を裏切る練習ぶりを2週間見せられ、私は我慢できなくなった。それがイケルには理解できなかったようだ」とメディアに向けて語っていた。
「彼は、私が求めるようなエネルギーをもって練習していなかった」とも続けた。
カシージャスは、その後公式戦20試合連続で控えに甘んじ、36歳という年齢もあって、ポルトガルでの現役生活は幕を閉じつつあると言われるようになった。
Getty Imagesだが、「サン・イケル」は終わっていなかった。背番号1の座に戻っただけでなく、ポルトで初めてのプリメイラ・リーガ優勝を果たしたのである。そこには守護神の力が大きく作用していた。
そして今、カシージャスはリヴァプールが誇るモハメド・サラー、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノという最高の3トップに挑むという、彼にとって最大のチャレンジの一つに立ち会うこととなった。
カシージャスはレアル・マドリー時代、4度レッズと対戦している。直近では2014年で、2試合連続で無失点に抑え、スペインの巨人は連勝を収めた。
しかしながら、カシージャスにとって、リヴァプールとの思い出は甘いものだけではない。2008-09シーズン、ベスト16に残ったレアル・マドリーはリヴァプールに連敗。カシージャスはアンフィールドでの4失点を含む5失点を喫し、チームは無得点に終わった。
さらに言えば、ここ最近のリヴァプールは、その時と同じパフォーマンスができるチームだ。公式戦43試合で89得点を挙げており、ゴールから彼らを遠ざけておくには、かなりの努力が必要なことは間違いない。
ただしポルトにも、輝かしいチャンピオンズリーグでの歴史がある。2003-04シーズン、ジョゼ・モウリーニョ元監督のもとでの優勝を含む、2度の優勝経験を持つ。そう、年齢を感じさせないカシージャスが、再び「サン・イケル」と呼ばれる理由を知らしめる舞台は整っているのだ。そして我々もその瞬間を待ちわびている。
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