2025-26シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)は、いよいよ3月10日(日本時間11日未明)からラウンド16がスタートする。今季・欧州最強の16チームがビッグイヤーを目指す戦いが本格的に開幕を迎えるが、『GOAL』は元・日本代表にして人気解説者の安田理大氏に今季の“推しチーム”を選んでもらった。
「トーナメントなのでもちろん勢いも重要ですが、ラウンド16からはよりチームの底力が試されると思う」と指摘する安田さんに“推しチーム”の優勝までの道のりを予想してもらった。
※インタビュアー=北條聡
※インタビュー実施日:3月3日
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■“推しチーム”はどこ?
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「僕の“推しチーム”は、バイエルン・ミュンヘンです」
「ブンデスリーガを解説する機会も多いですし、リーグフェーズでアーセナルに敗れましたけど(第5節:1-3)、今季のバイエルンは強すぎます。優勝できる力はありますね」
「少しケガ人もいるのでスカッドは厚くないですが、メンバーは濃い。(ジャマル)ムシアラが復帰して、彼のパフォーマンスもラウンド16からさらに上がってくると思う。そこに(セルジュ)ニャブリもいて、(レナート)カールもいて、マイケル・オリーセ、ルイス・ディアス、そしてハリー・ケイン……『どこが止めるんや?』という感じです」
「バイエルンの良さは、オリーセとルイス・ディアスの両ウイングに一対一を仕掛けさせるため両サイドバックが良いポジションを取ること。ポケットの取り方が絶妙ですし、行けない時はサポートもできる。そこが秀逸で、最後はケインが仕留める。優勝できますよ!」
■準々決勝で待つのは「最強」のチーム?
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そんな“推しチーム”のラウンド16の相手は、プレーオフでドルトムント相手に大逆転で勝ち上がってきたアタランタに決まっている。
「彼らが苦戦したドルトムントに対して、バイエルンはブンデスリーガでダブルを達成しています(2-1、3-2)。そしてバイエルン推しとしては、アタランタには悪いですけど、上がってきたのがこちらで良かった、というのが正直な感想です。順当に行けば突破できますね」
バイエルンがベスト8に進出した場合、準々決勝でレアル・マドリー対マンチェスター・シティの勝者と対戦することになる。安田さんは、今季のレアル・マドリーについて「あまり納得できないんですよ。シャビ・アロンソの解任の仕方もそうですし、ラ・リーガも大事なところで2連敗(第25節~第26節)。100%心から応援できないです(笑)」として、シティとの対戦を予想した。
「レアル・マドリーとシティ、(準々決勝では)最強のチームが待っています。シティからすれば『またマドリーか』と。5シーズン連続の対戦は“悪夢再来”という感じですかね。でも、今のマドリーは正直応援できないので、シティが勝つかな(笑)。準々決勝はシティが相手になるかなと予想しています」
「今季のシティはやや取りこぼしも目立ちますし、調子の良さや継続性を考慮すれば、バイエルンが勝ち上がると思っています。シティには(アーリング)ハーランドというエースもいますが、バイエルンのセンターバック2枚、(ダヨ)ウパメカノと(ヨナタン)ターは対人に本当に強い。大きくて速くて、2人で守れてしまう。ハーランド対策としても効果的ですよ」
■準決勝は“余裕”?
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こうしてベスト4まで勝ち上がると話す安田さんだが、準決勝の相手については「パリ・サンジェルマンvsチェルシー、ガラタサライvsリヴァプールか……難しいやん」としつつ、対戦カードはこう予想した。
「チェルシーが来るんじゃないかなと思います。チェルシーはトーナメントに強いイメージ。でも、彼らなら“余裕”で撃破できる」
「パリ・サンジェルマンが上がってきたほうが嫌です。個の能力が高い選手、1人で打開できる選手が多いし、昨季王者ですからね。前半戦はつまずくこともありましたが、底力は間違いなくあるチームです。ラウンド16は底力の勝負。実質、世界最高の両サイドバックもいます。PSG対バイエルン、こうなっても面白いですね。でも、チェルシーが来るかなという予想です」
「(チェルシーが“余裕”である理由は?)プレミアリーグという相当タフなリーグで毎週戦っていますし、今はCL出場権争いに巻き込まれている。毎試合気の抜けない状況で、選手は体力的にも精神的にも疲弊していると思う。CLでは違うモチベーションがあるかもしれませんが……それを考慮すると、バイエルンはリーグ戦でほぼ優勝が決まっているという余裕がある。CLにフォーカスできるかなと。それを考えると、疲弊しているチェルシーvs気持ちよく挑めるバイエルンなら、こちらに軍配が上がりますよ」
■いよいよ決勝戦!対戦相手は…
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そして決勝戦の相手を予想する安田さんだが、トーナメント逆側のカードについても持論を展開。「ラウンド16の右側と左側の山、実力差がありすぎですね。チーム名だけ見たらですが……」と指摘しつつ、決勝の相手はリーグフェーズをトップで通過したノースロンドンの雄を予想した。
「(ラウンド16の)ニューカッスル対バルセロナも面白そうですね。ニューカッスルはインテンシティが非常に高いですし、プレミアリーグのチームは“一発”がある。粘り強い守備もできる。これをバルセロナがどう崩すか、という展開になりそうです」
「あと気になるのは、ボデ/グリムト。インテル(3-1、2-1)、シティ(3-1)、アトレティコ・マドリー(2-1)も撃破した。まだシーズンが始まっていないのに。トーナメントは勢いも重要ですから、準々決勝まで行くと思います。強豪チームは対戦したくないんじゃないかな。おそらく相手はアーセナルでしょうけど、面白い試合になりますよ」
「こうして逆の山を見ると、CL優勝経験があるのはバルセロナだけ。順当にバルセロナとアーセナルが勝ち上がってどうなるかですが……僕が見たいのはバイエルン対アーセナル。バイエルンは彼らにリーグフェーズで敗れるまで公式戦無敗でしたし、それに泥をつけられたので、決勝で借りを返してほしいですね」
「相当激しい試合になると思いますけど、バイエルンが優勝です! おめでとうございます(笑)。ブンデスリーガは現時点でほぼ優勝が決まっていますし、CLに集中できるのは大きな強みですね」
「おそらく『今、ヨーロッパで一番強いチームを挙げろ』と言われたら、ほとんどの人がバイエルンかアーセナルを挙げると思う。でも、バイエルンは気持ちに余裕がある。この差が影響すると思っています」
■“推し選手”は?
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最後に、そんなバイエルンの“推し選手”を聞いてみると、安田さんは迷わずチームを牽引し続けるエース、ケインの名前を挙げた。
「今まで『タイトルを取れていない』と散々言われ続けていましたが、バイエルンでやっと優勝を経験して、ここからタイトルを取りまくるんじゃないかなと。今年はブンデスリーガ、チャンピオンズリーグ、DFBポカールの三冠を達成して、そのままワールドカップも優勝できると思っています。それくらい充実している」
「彼のことをストライカーと考えている人が多いと思いますが、今のケインは“リベロ”ですよ。そう言ってもいいくらい、ピッチのあらゆるエリアで何でもこなします。中盤深い位置で守備もして、人一倍ハードワークする。おそらく今、世界で一番長距離パスが上手いのはケイン。全盛期のシャビ・アロンソのようなロングパスを両足で蹴ることができる。僕の推しですよ」

