今冬の加入から3試合目。ついにその時が来た。初のホームゲーム、そして初のスタメン起用。ヴォルフスブルクの塩貝健人は、ドルトムントという強敵を相手にフォルクスワーゲン・アリーナのピッチに立った。
任されたポジションは本来の最前線ではなくトップ下。持ち前の攻撃以上に、ラルフ・ハーゼンヒュットル監督が評価したのはその走力だった。守備のタスクを完遂しつつ、隙あらばゴールを狙う。難しいタスクを与えられた中、塩貝はブンデスの過酷な現実を味わうことになった。
相手ボランチへの執拗なマークに、連動したプレス。時には自陣深くまでプレスバックした。その結果、守備に奔走するあまり、攻撃に転じる瞬間のパワーを奪われた。「めちゃくちゃ走った。守備のタスクが多くて、攻撃で持ち味が出せなかった」。試合後、塩貝は絞り出すように悔しさを口にした。
それでも、塩貝にとってはブンデスリーガのレベルを体験するという意味で、意義ある試合となったことは間違いない。対峙することの多かったジョーブ・ベリンガムやフェリックス・ヌメチャについて「でかくて強くて速い。やっぱすげえなと思いました」と自身の力が足りなかったことを素直に認め、「ああいう強度に慣れていかなきゃダメだと思う」と前を向く。
チームは塩貝が退いた後に勝ち越しを許し、敗戦を喫した。ホームのサポーターに勝利を届けられなかった悔しさは、次の野心を燃やす薪となる。
「点を取れると思われなかったら、ストライカーでは使ってもらえない。早く結果を残すしかない」
オランダでの”ジョーカー”という肩書きはもう捨てた。ドイツで手にした新たな基準。ストライカーとしての本能を証明するための闘いは、ここからが本番だ。



