ザンクトパウリの藤田譲瑠チマが、引き分けに終わったマインツ戦を振り返った。
ザンクトパウリは21日、ブンデスリーガ第15節でマインツと対戦。藤田は普段とは違うトップ下で先発出場を果たした。残留争いに巻き込まれている両者の一戦は、互いに勝ち点を落としたくない状況もあり、なかなか攻め切れない膠着した展開に。後半は互いにチャンスを作り出したが、あと一歩ゴールには遠く、最終的にスコアレスドローで勝ち点1を分け合う結果となった。
チームとしては負けないことが大事だった。その中、フル出場でチームの勝ち点1獲得に貢献した藤田は、「自分自身、決められるシーンが二回ほどあったので、それを決めたかったなという気持ちはある」としつつ、「勝っとけば今後、楽になったのかなっていう印象はある」と相手を突き放すチャンスを逃したことを悔やんだ。
この試合で面白かったのは、相手のアンカーポジションに入った佐野海舟を藤田がマンツーマン気味にマークする役割を与えられていたことだ。幾度もあった中盤のマッチアップでは、奪われる場面もあれば、奪い返す場面もあり、かなり白熱したマッチアップとなった。藤田は「負けたくなかった」と語りつつ、佐野とのマッチアップを振り返った。
「正直、攻撃のところは、ピッチの影響もあって、なかなか自分のプレーというのは出せなかったですし、なかなか納得がいくプレーではなかった。ただ、チームとしてまずはポイントを取れたことと無失点だったのは、悪くはなかったのかなと思います」
チームとしては9連敗を喫するなど厳しい時期を過ごす時もあった。ただ、その中でウインターブレイク前の公式戦4試合では負けなしと上向きな形で休暇に入ることができたのはプラスだろう。
初のブンデスリーガの舞台で全試合出場を続けている藤田は、改めてここまでの手応えを口にした。
「チームに貢献できる回数というのは、自分の中で求めてるところではある。そういったところで、連敗中はやっぱ苦しかったですけど、最近はゴールに絡む回数だったり、チャンスメイクする回数というのは増えてきたと思います」
来年の戦いに向けて「もっと強度を上げていきたい」と語った藤田。新たな舞台で成長を続ける男は、残りのシーズンでどれだけの結果を残すことになるのか。ひとまず短い休暇を取り、次なる戦いに向けて英気を養っていく。


