ザンクト・パウリのアレクサンダー・ブレッシン監督は、現在数多くの日本人選手がブンデスリーガクラブでプレーする理由について、自身の見解を述べた。
現在、ブンデスリーガ1部クラブのトップチームには、ドイツ生まれの日独ハーフでU-20日本代表MFニック・シュミット(ザンクト・パウリ)を含め、過去最多の15人の日本人選手が在籍。『transfermarkt』のデータによれば、オーストリア人(27人)やフランス人(26人)、デンマーク人(17人)といった隣国出身の選手に次ぐ数字だ。そして、上述のシュミットを加えると、昨夏にMF藤田譲瑠チマが加入し、今冬にDF安藤智哉とFW原大智を獲得したザンクト・パウリには4人の日本人選手が所属している。
そんなザンクト・パウリは8日のブンデスリーガ第25節で、昨夏加入のMF堂安律に加え、1月にDF小杉啓太を獲得したフランクフルトと対戦する。日本人対決が実現する可能性の高いこのホームマッチを前に、ブレッシン監督は6日の記者会見で、現地記者から「なぜ近年、日本人選手がこれほど増えたと思うか?」と問われた。過去にはベルギーのオーステンデでMF坂元達裕(現コヴェントリー)やロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズでDF町田浩樹(現ホッフェンハイム)を指導した経験を持つドイツ人指揮官は、この質問への回答に6分以上を費やした。
ブレッシン監督はまず「一つには、単純に彼らの実力が高いからだ。アジア市場が注目されているという点は、我々にとっては特に関係ないね」と前置きすると、自身が2016年から2020年まで下部組織でコーチを務めたRBライプツィヒ時代を振り返り、「私がライプツィヒにいた頃、日本のユースチームが2チームほどこちらに来て交流したことがあった。そのとき早い段階で分かったのは、彼らがボール扱いの技術を非常によく教育されているということだった。それに加えて、オフ・ザ・ボールでの姿勢やメンタリティーも申し分なく、現代サッカーで重要とされる多くの要素を備えている」と指摘し、日本人の人柄について続けた。
「それに彼らはとてもオープンだ。町田浩樹とは、私から多くを話しかけようとはしていたが、実際にはそれほど口数は多くない。こちらが何かを伝えると、彼は『分かりました、やります』と言う。もちろん時にはフィードバックが欲しいと思うこともあるが、彼にとってはそれで十分に理解できているようだった。今のドウ(安藤の愛称)にも同じような印象を受けている。今でもそれほど多くを話すわけではないが、ケンタ(神原健太=ザンクト・パウリのホペイロ兼通訳)がいてくれるし、言葉だけでなく映像などを使って説明することもある。ただ、彼らは本当に驚くほど早く適応する」
「また、選手の視察や事前の評価の段階でも、例えばジョエルについては、どこが強みなのかをしっかり見ていた。そこは我々にとって非常に重要だった。ドウについても、彼が前向きに守備をしようとする感覚を本能的に持っていることがすぐに分かった。その点、多くを説明する必要はないのさ。守備に出ていく瞬間やタイミングといった部分は、すでに備わっている」
「もちろん、彼自身も言っているように、スピードの面ではまだ適応が必要な部分はある。ブンデスリーガはやはり少し速いからね。ただ、それはジョエルやタイチの場合も同じだ。まだ少し時間は必要だし、日本人選手の中でも、特に大人しいタイプだが、良い道を歩んでいると思っている。だからこそ、こうしたクオリティーを持つ選手がチームにいることをうれしく思う。スタメンをより強くすることもできるし、途中から投入してチームを活性化させることもできるからだ」
同記者はさらに、日本代表が前回ワールドカップでドイツ、スペイン、コスタリカと同組となったグループでイエローカードが多かったことに触れ、フェアプレーの意識が変化し、「いわゆる“ダーティー”なプレーもできるようになったと思うか」と質問。ブレッシン監督は次のように答えている。
「ここ数年の日本代表の歩みは私も追ってきたし、代表戦も見てきた。単に知っている選手がいるからというだけではなく、技術的にも非常に高いレベルにあり、戦術的にも優れたチームだからだ。ボールを持っていないときのプレーや、その局面でのアグレッシブさを見ると、確かに何段階もレベルを上げてきたと言えると思う。もちろん、試合に勝つために必ずイエローカードが必要かと言われれば、それは別の話だが、全体として見れば、ピッチ上では多少の“アスホール・メンタリティー”のようなものも必要だと思う」
一方で、このようにも話している。
「試合後にロッカールームをきれいにして去るという写真が世界中に広まったよね。あれは、リスペクトを持つことの大切さを示しているだろう。ロッカールームをひどく散らかしたままにしない。それは日本人の文化や物事の捉え方をよく表していると思う」


