上位争いをしているレヴァークーゼンの攻撃を、中盤で刈り取り続けた。ブンデスリーガ第24節、敵地バイ・アレーナのピッチで佐野海舟は文字通り防波堤となった。90分間を通して見せた守備の強度は圧巻の一言。ワンアンカーの位置で広範囲をカバーし、相手の攻撃の芽を摘み続けた。
チームは一時先制し、白星を目前に捉えていたが、終盤の失点で1-1の引き分けに終わった。強敵から敵地で勝ち点1を奪ったという事実は、残留争いを戦うチームにとって小さくない成果だが、試合後の佐野に高揚感はなかった。
「自分たちがコントロールできている時もあったけど、失点は隙を突かれた形。毎回あんな感じで試合を決められてしまっている。一人ひとりが隙を見せずにやることが必要」
ミスが試合全体で一度きりだったとしても、それが失点に直結すれば意味をなさない。ウルス・フィッシャー監督が就任して以降、チームの守備組織は改善傾向にあるが、佐野はそのわずかな綻びこそ、残留争いを勝ち抜くためのポイントだと見解を明かしている。
その一方で、自らのプレーには確かな変化も感じさせている。この日は守備だけでなく、鋭いターンから密集をすり抜け、攻撃の起点となる場面が目立った。これは今季序盤とは明らかな変化と言っていい。
「まずはボールを受けたり、勇気を持ってターンをする。それができていなければ、その先(の質)もない。回数を増やしながら、質にこだわっていきたい」
冬の移籍市場を経て前線の顔ぶれが変わり、縦への推進力が増したチームにおいて、佐野が中盤で前を向く回数が鍵を握っているのは間違いない。自らに課すハードルは高いが、その挑戦の回数こそが、自らとチームを一段上のレベルへ引き上げるための条件となる。
「順位は気にしすぎず、目の前の試合をどう戦うかにフォーカスしたい」
獅子奮迅の働きを見せながらも、現状に満足しない姿勢を見せた佐野。その飽くなき追求心がある限り、残留争いの中にあっても自身の進むべき道が揺らぐことはないはずだ。


