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オサスナ戦で退場のベリンガム、審判は報告書に「私にファック・ユーと言った」と記載…アンチェロッティは「ファック・オフだった」と反論

16日のラ・リーガ第24節、レアル・マドリーは敵地エル・サダールでのオサスナ戦を1-1のドローで終えた。この試合ではMFジュード・ベリンガムが暴言を吐いたとして退場となったが、口にしたとされる言葉で論争が起きている。

マドリーはこの試合の15分にFWキリアン・エンバペのゴールで先制。しかし39分には、ムヌエラ・モンテーロ主審が暴言を吐かれたとしてベリンガムを一発退場とした。数的不利に陥ったマドリーは、その後FWアンテ・ブディミルにPKを決められて同点で試合を終えた。

ベリンガムの暴言だが、ムヌエラ・モンテーロ主審は試合の報告書において「ファック・ユー」と言われたと記載。しかし実際に口にした言葉、またその言葉の意味でスペインでは騒動が巻き起こっている。

この試合をスペインで放送した『モビスタール・プルス』のテレビカメラが捉えていた当該の場面で、ベリンガムはムヌエラ・モンテーロ主審に対して、判定への不満から英語で「リスペクトを持って話しているじゃないか、ファック・オフ」と話していた。またカルロ・アンチェロッティ監督は試合後、ムヌエラ・モンテーロ主審の聞き間違いであることを強調している。

「私たちはフットボール的に良い形で試合をスタートさせ、1人少なくなりながらも良い形で試合を終えた。ベリンガムのレッドについては(ムヌエラ・モンテーロ主審が)英語をうまく理解できなかったのだと思う。彼は『ファック・ユー』ではなく『ファック・オフ』と言ったんだ。審判は間違えている。ファック・オフはスペイン語にすれば『ノ・メ・ホダス(ばか言うな、まさか)』となる」

「ここ3試合で起きたことについては、誰もが目にしたはずだ。これ以上、何かを言いたいとは思わない。次戦もベンチに座っていたいからね」

「ファック・ユー」は日本語で、一般的に「くたばれ」「とっとと失せろ」「くそくらえ」などと意訳され、また「ファック・オフ」も「とっとと失せろ」「立ち去れ」「くたばってしまえ」と同じ意味や似た表現で訳される。しかし、どちらも粗野なスラングではあるものの、「ファック・オフ」の方が攻撃性は若干少ないとされている。例えばラ・リーガでマテウ・ラオス元審判に「ファック・オフ」と言って退場となったことがあるFWクリスティアーノ・ロナウドは、こんなことを語っていた。

「プレミアリーグで、審判は攻撃的な言葉として捉えない。イングランドで選手たちはいつも『ファック・オフ!』と言っている。だけど審判は何もしないよ。それなのにこちらだと退場とするんだ。スペインの審判はもっとフレキシブルになるべきだ」

しかし、見解は様々だ。例えばスペイン在住の英国人記者シド・ロウ氏は、スペイン『カデナ・コペ』とのインタビューで「ファック・ユー」「ファック・オフ」も本質的な意味は変わらないと主張している。

「誠実に言って、そこまで大きな違いはない。ちょっと私にしてみれば言うのを憚れるのだが、エフ〜・ユーの方が少しだけ直接的だ。しかし、どちらも変わらないよ。アンチェロッティの釈明は無意味だと思う」

なおベリンガム本人は試合後、自身の発した言葉について釈明しつつ、10人での戦いを強いられたチームメートたちに謝罪している。

「ミスがあったのは明らかだ。コミュニケーションのミスだよ。自分が言ったことをここで繰り返すことは望まない。何か『ホデール(スペイン語でファック、うんざりさせる、いらいらさせるなどの意。俗語)』みたいなことだ。みんなに知っていてほしいのは、チームを10人にすることは望んでいなかった、ということだ。映像を見れば、報告書とは違うことを言っていたのが分かるはずだ。あれは理解の欠如だ。審判の明確なミスだよ」

「僕は審判を決して侮辱していない。映像が存在していることは喜ばしいよ」

なお、ベリンガムの言葉が審判に対する無礼な言動と捉えられれば出場停止処分は2試合となり、深刻な侮辱と捉えられれば処分は4〜12試合に及ぶことになる。

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