FBL-BAYERN MUNICH-EXHIBITIONAFP

バイエルンのヘーネス名誉会長、”繊細な”強化担当に注文「責任をもっと分散すべきだ」

バイエルン・ミュンヘンのウリ・ヘーネス名誉会長は、強化担当のマックス・エーベル取締役について「かなり繊細なタイプだ」と考えているようだ。

今夏の移籍市場で、MFフロリアン・ヴィルツやシュトゥットガルトのFWニック・ヴォルテマーデといった、ドイツ代表の将来を担う有望株の獲得に失敗したバイエルン。さらに、クラブの監査役会から十分な「後ろ盾」も得られていなかった様子のエーベル氏は、ドイツメディアでは辞任の可能性が取り沙汰されている。

こうした中、クラブ監査役会の一員でもあるヘーネス氏は、ドイツ『シュポルト1』のトーク番組に出演。エーベル氏との関係について問われると、「私が彼に立ち向かったことは一度でもあったか?」と逆に問い返した上で、「口先だけの約束など私は信じない。大事なのは、我々がどう協力しているかであり、その点で言えば協力関係は良好だ」と強調。エーベル氏が去る可能性については「全くの議題外だ」と否定した。

さらにヘーネス氏は、批判的な報道も多いエーベル氏に対し、自身が会長を務めていた頃のカール=ハインツ・ルンメニゲ元CEOとの関係を例に挙げながら、次のようなアドバイスを送った。

「こういう厳しい仕事をしていれば、衝突は避けられない。カール=ハインツ・ルンメニゲと私はよく“箒職人のように”激しく言い争ったものだが、ミーティングが終わればまた元通りに戻った。マックスはその点で、かなり繊細だ」

続けて、マネジメント上の考え方についても具体的に言及した上で、責任の分担についても指摘した。

「マックスがグラットバッハで成功していた頃は、扱う金額も違っていた。500万ユーロ、多くても2000万ユーロ程度だっただろう。しかし今のバイエルンでは、一人の選手を獲得するのに、給与込みで最大2億ユーロ規模の話になるんだ」

「私ならマネジャーとして、こんな重要な責任を一人で背負おうとは思わない。マックスも、責任をもっと分散すべきだと早く理解したほうがいい。正直言って、彼はその点で少し問題を抱えているように見える」

また、移籍戦略についても具体的な提言をしている。

「マックスは6月、7月のうちに来季の補強を進めなければならない。大きなクラブがまだ動いていない時期にね。もし最後の2、3日で大急ぎで動くことになったら、すごく難しくなる。8月末にまとめて移籍を決めるのは、いつだって無理があるし、高くつくし、欲しい選手を必ずしも取れるわけじゃない」

さらに、クラブ監査役会が今夏の移籍市場終盤に下した完全移籍を認めない決定に触れたヘーネス氏。「彼はある選手を買いたがっていたが、我々はクラブの財政状況を把握している。当然だが、スポーツでの成功と同じくらい財政面も大事だ」と語り、現在の首脳陣の構成についても懸念を示した。

「我々が探しているのは、非常にうまくかみ合うチームだ。だが、まだ見つかっていない。本当は、我々が口を出さなくても済むのが一番いい。しかし、物事がうまく進んでいないと感じるなら、介入せざるを得ない。適材適所で正しい人材がそろったとき、カール=ハインツと私は身を引くつもりだ」

広告