12日のスペイン・スーパーカップ決勝レアル・マドリー対バルセロナは、5-2でバルセロナの勝利に終わった。
準決勝でラ・リーガ準優勝バルセロナがコパ・デル・王者アトレティック・クルブを、ラ・リーガ王者マドリーがコパ準優勝マジョルカを下して今季2回目のクラシコが実現。今季1回目、ラ・リーガ前半戦のクラシコはバルセロナがアウェーながら4-0の大勝を収めている。
リベンジを期するマドリーのアンチェロッティ監督はGKクルトワ、DFルーカス・バスケス、チュアメニ、リュディガー、メンディ、MF後列バルベルデ、カマヴィンガ、前列ロドリゴ、ベリンガム、ヴィニシウス、FWエンバペをスタメンで起用。対してバルセロナのフリック監督はGKシュチェスニー、DFクンデ、クバルシ、イニゴ、バルデ、MFガビ、カサド、ペドリ、FWヤマル、レヴァンドフスキ、ハフィーニャを先発させている。
前半、バルセロナはキックオフ直後に立て続けに決定機を迎えるも、GKクルトワの好セーブに阻まれる。対するマドリーは5分にエンバペがファーストシュートを放ち、見事に物にした。速攻からボックス内右に侵入したフランス代表FWは、やや足元に入り過ぎたボールを右足で巧みに叩いて、シュチェスニーを破っている。
先制したマドリーだったが、立ち上がりに露呈した守備の脆さは変わらず……。とりわけ右サイドバックのL・バスケス、センターバックのチュアメニのところは、完全なウィークポイントとなっていた。バルセロナはマドリーの脆弱な守備を穿ち続け、いとも簡単にスコアをひっくり返し、ゴールショーを披露している。
バルセロナはまず22分、レヴァンドフスキのポストプレーからボックス内に侵入したヤマルが、落ち着き払ったシュートでクルトワを破り同点に追いつく(なお28分にはイニゴが負傷してフリック監督はアラウホを投入)。そして35分には、ガビがボックス内でカマヴィンガに倒されてPKを獲得し、キッカーのレヴァンドフスキがこれを決め切り逆転した。
バルセロナの勢いはその後も収まらず、39分にはクンデのアーリークロスからハフィーニャがヘディングシュートを決めて3点目。さらに前半アディショナルタイム10分には、マドリーのCKの流れから速攻を仕掛け、ハフィーニャのパスをボックス内で受けたバルデが4点目を記録している。
3点ビハインドで試合を折り返したアンチェロッティ監督は、カマヴィンガを下げてセバージョスを投入。ポゼッション率を高めて攻勢に出ようと試みたが、前傾姿勢になり過ぎたことで逆に速攻を許し、5失点目を喫した。バルセロナはカサドのスルーパスからハフィーニャがいとも簡単にチュアメニを抜き去り、ボックス内に侵入。冷静な左足のシュートでクルトワを破っている。
アンチェロッティ監督は1-5とされた直後、ルーカス・バスケスをラウール・アセンシオに代えて守備の立て直しを図る。すると57分、敗戦濃厚の試合に一縷の望みが生まれた……。シュチェスニーがペナルティーアーク付近でエンバペを倒して一発退場に(フリック監督はヤマル、ガビを下げてダニ・オルモ、GKペーニャを投入)。このゴール手前のフリーキックからロドリゴが見事にゴールを奪い、ビハインドを3点に縮めている。
アンチェロッティ監督はその後、モドリッチ、フラン・ガルシア、ブラヒムを次々に投入していくも、バルセロナの守備をまったく崩せず、数的優位をほとんど生かせないまま時間だけが経過。試合終了間際にはエンバペが再び個人技からシュートまで持ち込むも、これはペーニャの好セーブに阻まれた。結局、バルセロナが3点リードを維持し続けたまま、試合終了のホイッスルを聞いている。
バルセロナは2年ぶり15回目のスペイン・スーパーカップ優勝。タイトル獲得は2022-23シーズンのラ・リーガ優勝以来1年半ぶりのこととなった。対して今季UEFAスーパーカップ、インターコンチネンタルカップで優勝していたマドリーは、3タイトル目を逃すことに。あとラ・リーガ、チャンピオンズリーグ、コパ、クラブ・ワールドカップのタイトルを残しているが、メディアで騒がれてきたセプテテ(七冠)の夢は潰えてしまった。