Xavi HernandezGetty Images

チャビ、延長戦で敗れたクラシコに…「私たちは決勝への切符をつかんでいた。レアル・マドリーにもその感覚があるはず」

12日にスペイン・スーパーカップ準決勝バルセロナ対レアル・マドリーがサウジアラビア首都リヤドで行われ、3-2でマドリーが決勝進出を果たした。

2017年にマイアミで行われたインターナショナル・チャンピオンズカップに続き2回目、公式戦では初となるスペイン国外でのクラシコである。ラ・リーガでは首位レアル・マドリーと6位バルセロナの勝ち点差は17(!)も開いているが、それでも伝統の一戦は伝統の一戦だ。結果次第で両チームのダイナミズムに変化が生じる可能性もある。

バルセロナ指揮官として初のクラシコに臨むチャビ監督は先発にGKテア・シュテーゲン、DFダニエウ・アウベス、アラウホ、ピケ、ジョルディ・アルバ、MFガビ、ブスケツ、フレンキー・デ・ヨング、FWフェラン・トーレス(バルセロナデビュー)、ルーク・デ・ヨング、デンベレを起用。その一方でアンチェロッティ監督はGKクルトワ、DFカルバハル、ミリトン、ナチョ、メンディ、MFモドリッチ、カセミロ、クロース、FWアセンシオ、ベンゼマ、ヴィニシウスをスタメンとした。

試合は、まさにチャビ監督のバルセロナとアンチェロッティ監督のマドリーらしい展開に。ボールを保持して攻め込むのはバルセロナで、一方のマドリーはミドルゾーンやや下り目でバルセロナを待ち受けてカウンターから先制点を狙った。

そして25分、ハイプレスを仕掛けないマドリーが、安心しきっていたようなブスケツを出し抜いて先制点を決めることに成功。ブスケッツが保持するボールをベンゼマが後方からつっつき、こぼれたボールをモドリッチがアウトサイドで前に出し、ライン間のベンゼマが素早くスルーパスでヴィニシウスに送る。アラウホの前を取ってペナルティーエリア内左に侵入したヴィニシウスが、左足のシュートでT・シュテーゲンを破った。

失点を許したバルセロナだったが、前半終了前にスコアをタイに戻した。42分、ペナルティーエリア内に飛び込んだフレンキー・デ・ヨングが、送られてきた浮き球をヘディングで左サイドに流す。これを受けたデンベレがエリア内左からグラウンダーのクロスを送ると、ミリトンのクリアし損なったボールをルーク・デ・ヨングが押し込んだ。前半は1-1で終了。チャビ監督はハーフタイムに交代カードを2枚切り、F・デ・ヨング&F・トーレスを下げて負傷明けのペドリ、またアブデを入れている。

後半は立ち上がりこそバルセロナが攻勢を見せてペドリ、L・デ・ヨングがシュートまで持ち込むなどしたが、徐々にマドリーが主導権を握っていく。チャビ監督は66分、ペドリに続いて負傷明けのアンス・ファティをL・デ・ヨングとの交代で投入。対するアンチェロッティ監督は2分後にアセンシオをロドリゴに代えた。

そうして72分、マドリーが勝ち越しゴールを決めた。左サイドのメンディが一瞬の加速でD・アウベスを抜き去りグラウンダーのクロス。これを受けたベンゼマの無駄のない動きからのシュートはT・シュテーゲンに弾かれたが、こぼれ球を拾ったカルバハルがもう一度ベンゼマにボールを送り、フランス人FWが今度はしっかりと枠内に押し込んだ。

再びビハインドを負ったチャビ監督は78分にD・アウベス&ガビを下げてニコ&メンフィスを投入。一方アンチェロッティ監督は82分、試合を通して凄まじいテクニック、ゲームメイクを見せていたモドリッチを下げてバルベルデをピッチに立たせた。その後はバルセロナが3トップ、前線4枚(デンベレ、A・ファティ、メンフィス、アブデ)とリスクをかけた猛攻を仕掛け、速攻を仕掛けやすくなったマドリーも得点の匂いを感じさせる「表が出るか裏が出るか」の状況となった。

すると84分、バルセロナが賭けに勝った。J・アルバの折り返したボールからフリーとなっていたA・ファティがヘディングシュートを突き刺し、またも負傷からの復帰戦でゴール。スコアは再びタイに戻り、延長戦に突入することになった。

延長戦前半はバルセロナがボールを保持してマドリー陣地で試合を進める。ボールロスト直後のプレスも継続し、疲れ知らずの様子だったが、やはりバランスが前に傾き過ぎていたのかもしれない。98分、マドリーが三度リードを得た。カセミロを起点とした速攻からロドリゴが右サイドを突破。ペナルティーエリア内に送られたグラウンダーのクロスをヴィニシウスがスルーすると、バルセロナDFのほかベンゼマすら反応できなかったこのボールを駆け込んできたバルベルデが押し込んだ。

延長戦後半、バルセロナはもう一度決死の攻撃を仕掛けるも、足をつったヴィニシウスとの交代でカマヴィンガを入れるなどしたマドリーのゴールを三度破ることはかなわず。アンチェロッティ監督率いるチームが今度こそリードを守り切って、チャビ監督率いるバルセロナとの初めてのクラシコに勝利した。マドリーは明日行われるアトレティコ・マドリー対アスレティック・ビルバオの勝者と16日に決勝を戦う。

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