26日のコパ・デル・レイ決勝バルセロナ対レアル・マドリーは3-2でバルセロナが勝利し、4年ぶり32回目の優勝を果たした。バルセロナDFイニゴ・マルティネスは試合後、主審を務めたリカルド・デ・ブルゴス・ベンゴエチェア氏のレフェリングを称賛した。
この試合の前日、ベンゴエチェア氏とVAR担当ゴンサレス・フエルテ氏は記者会見に出席して、『レアル・マドリーTV』が執拗に展開し続けている審判批判について抗議を行った。この試合の前にも『レアル・マドリーTV』から自身を批判する映像を流されたベンゴエチェア氏は、涙を流して、声を詰まらせながら「息子が学校で、他の子たちから自分の父親が盗人だと言われるのは、たまらない」「知っていてほしいのは非常に辛い現実があるということだ」と発言している。
これに対してレアル・マドリーは「審判たちの会見での発言は受け入れられるものではない」「彼らがこのクラブに敵意を持っていることが再び、明確に示された」と、声明でもって遺憾の意を表明。同クラブはRFEF(スペインフットボール連盟)およびCTA(審判技術委員会)がコパ決勝の担当審判を変えなければ、試合のボイコットすら辞さない様子だったという(最終的には新たな声明を発表して、ボイコットは否定している)。
一連の出来事の後、凄まじい緊張感と重圧の中で試合を裁いたベンゴエチェア氏は、非の打ち所のないレフェリングを披露。VAR介入後の最終判断も的確そのもので、スペイン『アス』は「審判に10点満点を」と、そのの仕事ぶりを称賛する記事を掲載している。
そしてバルセロナのイニゴ・マルティネスは、ベンゴエチェア氏のレフェリングを称賛するとともに、労いの言葉を口に。試合後、スペイン『カデナ・コペ』とのインタビューで、次のように語った。
「リチ(ベンゴエチェア氏)と彼の仲間たちを祝福するよ。彼らは素晴らしいレベルにあった。全員が彼らの祝福することを期待している」
「あれだけのレベルの騒動が起こるなんて、彼にとって不当でしかなかった。僕たちは彼のことをサポートしたいと思っている。人生でミスをしない人間なんていないし、あんな状況に置かれるなんて、誰にとっても辛いに決まっている」
「あれだけの喧騒があればレフェリングするのは非常に難しい。だからこそ、彼の振る舞いを喜ばしく思う。そのプロフェッショナリズムは、常に素晴らしいものだった」
アスレティック・ビルバオ時代、コパ決勝で2回涙を呑んだイニゴ・マルティネスにとって、今回はキャリア初の同大会優勝となる。しかもセンターバックを務めるだけでなく、試合途中に左サイドバックにポジションを変えて、チームに貢献していた。
「フリックがそこでプレーする自分を想像していて、僕もイエスと言ったんだ。とにかく全力を尽くしたよ。自分のポジションではなくても、やるべきことをやるだけだ」
「今日が僕たちの日になることは分かっていた。ほかのチームであれば、レアル・マドリー相手に1-2とされれば負けていただろう。だけど僕たちは追いつくタイミングがあることを分かっていた。チームとしての強さによって、僕たちは前へと進めたんだよ」




