22日のラ・リーガ第33節、バルセロナはホームでのマジョルカ戦を1-0で制した。なおマジョルカFW浅野拓磨は怪我のため招集外となっている。
26日にコパ・デル・レイ決勝レアル・マドリー戦、30日にチャンピオンズリーグ準決勝1stレグのインテル戦を控えるバルセロナ。フリック監督がビッグマッチ2連戦を前にローテーションを採用することは予想できたが、前節セルタ戦(4-3)で出場機会がないことに怒りを爆発させていたアンス・ファティ、エクトール・フォルトも先発に含めている。
バルセロナの全スタメンはGKシュチェスニー、DFエリック・ガルシア、アラウホ、イニゴ、フォルト、MF後列ガビ、ぺドリ、前列ヤマル、ダニ・オルモ、アンス・ファティ、FWフェランで、システムは4-2-3-1。
バルセロナは前半から、言葉通りマジョルカを圧倒。その中でも際立っていたのはぺドリだ。この背番号8はすでに絶滅したとも言われるファンタジスタだ。いや、そう呼ばれた選手たちが多くプレーした時代にあっても、これだけのファンタジーを見せられる存在は、ほとんどいなかったはず。
マジョルカは5バックで堅守を見せようしたが、ぺドリがそれを何度も無効化している。ボールを持てば相手選手たちを引き寄せ、踊るようなキープで絶対にそれを奪われず、引き寄せるだけ引き寄せた後(逆に引き寄せ過ぎず意表を突くことも)にドリブル突破や糸を引くようなパスを出優位な状況をつくり出す。芸術的なサイドチェンジ、スルーパスで何度もチャンスを演出しただけでなく、マジョルカがカウンターを発動させようと思えば、まるでブスケツのような“潰し”のプレスを見せてボールを奪い返した。今日は彼のプレーだけを切り取るだけで、極上の試合ハイライトが成立するほどだった。
ただバルセロナは、いくらぺドリがチームを引っ張っても、肝心のゴールを決めることができない。12分、ぺドリのスルーパスからフェラン、ヤマルが立て続けに放ったシュートはGKレオ・ロマンがセーブ。また26分、左サイドのヤマルが左足アウトサイドでスルーパスを放ち、ダニ・オルモがエリア内フリーでボールを受けてシュートを打つも、ここでもレオ・ロマンの好守に遭った。
その後もぺドリを軸に猛攻を仕掛けるバルセロナは、ガビ、アラウホ、エリック・ガルシア、フェラン、アンス・ファティ……と、次々に確度の高いチャンスを手にしていったが、すべて物にすることができず。まるで奇跡のようなスコアレスで、試合を折り返している。
後半になると、バルセロナの先制点が早々に、あっさりと決まった。46分、右サイドのエリック・ガルシアがペナルティーエリア内右のダニ・オルモに横パス。左足でボールをトラップしたスペイン代表MFは、狭いスペースの中で再び左足を巧みに振って、レオ・ロマンを破っている。
バルセロナはその後もボールを保持して追加点を狙う。フリック監督は62分にアンス・ファティ、ダニ・オルモを下げてハフィーニャ、フェルミンを投入。また77分にはフォルト、フェランとの交代でジェラール・マルティン、パウ・ビクトールをピッチに立たせている。
バルセロナは79分、ぺドリのミリメートルレベルの精度のスルーパスからヤマルがレオ・ロマンと1対1となるも、このシュートは決め切ることができず。また84分にもぺドリを起点とした展開からパウ・ビクトール、85分にエリック・ガルシア、86分にフェルミンとシュートを放っていったが、レオ・ロマンの牙城を再び崩すことはかなわなかった。
フリック監督は86分に最後の交代カードを切り、ヤマルをフレンキー・デ・ヨングと交代。ポゼッション率を高めて、マジョルカの反撃の意欲を削ごうとした。結局バルセロナは、追加点こそ奪えなかったものの、マジョルカの同点ゴールも許すことなく1点リードで試合終了のホイッスルを迎えている。
ラ・リーガ3連勝の首位バルセロナは、翌日にヘタフェ戦を控える2位レアル・マドリーとの勝ち点差を暫定で7に広げている。
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