27日のラ・リーガ第27節延期分、バルセロナはホームでのオサスナ戦を3-0で制した。
試合当日にバルセロナのメディカルスタッフ、カルラス・ミニャロ・ガルシア氏が亡くなったことで延期となっていたこの一戦。余裕などない過密日程の中、インターナショナルウィーク終了直後に無理やりねじ込んだ試合のために、バルセロナはそれぞれブラジル代表、ウルグアイ代表として試合を戦ったばかりのハフィーニャ、アラウホを招集外にせざるを得なかった(彼らは今後20日間で7試合を戦うことになる)。
フリック監督は彼ら2選手のほかレヴァンドフスキ、さらには負傷明けのクバルシもベンチに置いて、GKシュチェスニー、DFクンデ、エリック・ガルシア、イニゴ・マルティネス、バルデ、MFぺドリ、フレンキー・デ・ヨング、ダニ・オルモ、FWヤマル、フェラン、ガビを先発させている。
今季アウェーで1勝しか挙げていないビセンテ・モレノ監督率いるオサスナを相手に、バルセロナはまるでエキシビジョンのような一方的な試合を展開。迫力満点のオーバーラップを仕掛けるバルデ、巧みなゲームメークを見せるデ・ヨング、踊るようにボールを保持するばかりか出すパスさえ芸術的なぺドリ、攻守でアグレシッブなガビ、シンプルかつ迅速なボール扱いで効果性を発揮するオルモ、今日は出番こそ少なかったがボールを持てば最低一人は絶対にかわすヤマル、鋭い飛び出しを見せるフェラン……フリック監督の勇敢かつ機能的なプレーシステムの中で、攻撃に関与する全選手が「うまい」と口に出させるプレーを見せると、キックオフから11分後に先制点を決めている。
デ・ヨングが前線のフェランと素早く縦のパス交換をしてオサスナ守備陣をかき乱すと(どちらもワンタッチのパスで、フェランはヒールパスを駆使!)、左サイドを駆け上がるバルデにスルーパス。バルデがペナルティーエリア内にグラウンダーのクロスを送ると、フェランが滑り込みながらボールに合わせて、GKセルヒオ・エレーラを破った。
“ティブロン(サメ)”の愛称で知られるフェランは、今季公式戦1150分の出場で14得点目。81分に1得点を決めている計算となり、圧倒的な決定力を誇示している。
その後も敵陣で一方的に試合を進めるバルセロナは、21分に追加点を決める。ぺドリの浮き球からDFラインを抜け出したオルモがS・エレーラに倒されてPKを獲得。自らキッカーを務めたオルモは枠内左めがけてシュートを放つも、これはオサスナ守護神のセーブに遭う。しかし、シュート前にモンカジョラがエリア内に入っていたために蹴り直しが指示されると、再びキッカーを務めたオルモが同じコースにシュートを打ち、今度こそネットを揺らしている。
リードを広げたバルセロナだったが、28分には得点者のオルモが負傷してプレー続行不可能に。フリック監督は代わりにフェルミンを投入した。前半は2-0で終了。フリック監督はハーフタイムにデ・ヨングをパブロ・トーレに代えた。
迎えた後半、バルセロナはポゼッションとカウンターを織り交ぜた攻撃で3点目を狙う。フリック監督は67分に2枚目の交代カードを切り、フェランとの交代で温存していたレヴァンドフスキを投入(フェランにはスタンディングオベーション)。すると77分、交代で出場した3選手たちの共演によって、次のゴールが生まれている。
カウンターの場面で、パブロ・トーレのロングフィードからフェルミンが右サイドを突破。フェルミンは頭で合わせるだけという精度抜群のクロスをペナルティーエリア内に送り、レヴァンドフスキのゴールを導いた。レヴァンドフスキはこれが今季ラ・リーガ23得点目。
フリック監督は82分にバルデ&ぺドリとの交代でジェラール・マルティン&パウ・ビクトールを投入。バルセロナはその後もオサスナを攻め立てながら、試合終了のホイッスルを聞いている。インターナショナルウィーク直後、ハフィーニャもアラウホも欠く状況で落とし穴になり得る試合とされたが、蓋を開けてみれば圧倒的な強さで勝利している。
ラ・リーガ8連勝と破竹の勢いを見せるバルセロナは勝点を63として、レアル・マドリーに3ポイント差をつけて単独首位に立った。




