バルセロナは10日、DFイニゴ・マルティネス(34)がサウジアラビアのアル・ナスルに移籍することを発表した。
バルセロナは次のような声明を伝えている。
「FCバルセロナはトップチームの選手イニゴ・マルティネスが退団することをお伝えします」
「彼がこのアスルグラーナ(青とえんじ)のユニフォームを守った2年間、プロフェッショナリズム、努力、献身、団結の姿勢を示してくれたことに心より感謝します」
「私たちは彼の未来が成功と幸せで満ちあふれることを願っています」
「すべてにありがとう、イニゴ」
イニゴ・マルティネスは2023年夏、アトレティック・クルブからフリーでバルセロナに加入。昨季はハンジ・フリック監督のハイライン戦術を成立させる要のセンターバックとなり、公式戦46試合に出場してラ・リーガ、コパ・デル・レイの優勝に貢献した。
イニゴ・マルティネスはバルセロナと2026年まで契約を結んでいたが、アル・ナスルにはフリーで移籍することになる。バルセロナは2025年3月に契約を延長した際、将来的にこのバスク出身DFの獲得を望むクラブが現れ、選手本人も移籍に乗り気であれば、フリーで放出することを約束していたようだ。
ただし、たとえフリーでの放出とはいえ、バルセロナにも恩恵は存在する。イニゴ・マルティネスの年俸はグロスで1400万ユーロ(24億円)だったため、決して少なくない人件費の削減に成功したことになる。とはいえ、ラ・リーガのサラリーキャップ超過を解消できていない同クラブは、選手放出で余裕ができる金額と人件費に使い回せる金額が“1:1”となっておらず、現状では浮いた金額の60%、つまり840万ユーロ(約14億円)だけ人件費に回すことができる。
バルセロナはイニゴ・マルティネスの放出をもってしても、サラリーキャップの超過を解消することができず、“1:1”ルールに戻れない状況が続く。GKジョアン・ガルシアやFWマーカス・ラッシュフォードを選手登録するためには超過の解消が必須だが、本拠地カンプ・ノウのVIPゾーンの運営権売却が、ラ・リーガに認められることが鍵を握りそうだ。


