バルセロナがチャンピオンズリーグ(CL)から敗退して時間が経ったことで、当時沸き起こったヨーロッパリーグ(EL)に対する不平や軽蔑の念は薄れつつある。
2つ目の欧州コンペティションからもすぐに脱落するだろうと主張していたサポーターたちも手のひらを返し始め、ナポリを撃破した今、優勝への期待を膨らませ始めている。だが、10日のガラタサライ戦を迎える前に、このコンペティションに初めて参加するバルセロナがEL優勝を真剣に考えるべき理由が山ほどある。
Imago Imagesチャビ率いるチームはCL、スーペルコパ、コパ・デル・レイと相次いで脱落したが、就任後100日程度で4度目のトロフィー獲得のチャンスを無駄にしたくはないだろう。チャビ自身も「我々はバルセロナだから、勝利し、勝利し、勝利し続けなければならない」とどのようなタイトルも目指すことを断言した。
ELはバルセロナにとって今シーズントロフィーを掲げることのできる最後のチャンスなのだ。優勝することでこのプロジェクトが前進していることを示す必要がある。
17シーズン連続でCLノックアウトステージに進んでいたバルセロナにとって、グループステージ敗退の屈辱は、新しい狩場での勝利によってのみ癒やされるというものだ。
そして、ELで優勝することができれば、来シーズンのCL出場権を得ることもできる。ラ・リーガの順位でこれを得られるかは現状では確証がない。4位アトレティコ・マドリーとは同勝ち点、5位ベティスとは2ポイント差、6位レアル・ソシエダとは4ポイント差ということを考えれば、シーズン終盤まで出場権争いはもつれることだろう。
■次世代のスターにチャンス
Getty Imagesまた、CLではなくELに回ったことでバルセロナが得られたこともある。それはより多くの試合経験だ。監督にとっては、来シーズンやその先を見越してチームのどの部分を伸ばすべきか決断する機会に恵まれた。
1月に獲得したアダマ・トラオレ、フェラン・トーレス、ピエール=エメリク・オーバメヤンが登録され、ELで試合数を増やすことができれば、前線の組み合わせを試す時間が増えるだろう。特にアーセナルで2か月干されていたオーバメヤンにとってはゲーム勘を取り戻す貴重な舞台となる。
このトーナメントでプレーすることは、例えばガビやニコ・ゴンサレスといった若手にとっては有用で成長につながる経験になるだろう。10代にしてプレーや語り口がすでに成熟しているペドリも例外でなく、経験を積むことはプラスになるはずだ。
「戦い、優勝したいという強い気持ちを持ってELに入っていこうと思う」とペドリはすでに語っている。
バルサのこれまでの「黄金世代」は、ローマ、リヴァプール、リスボンなど、近年こうした機会で神経をすり減らす機会が多かった。若手を早めに鍛えておくことは悪いことではない。
もし物事が思い通りに進んでトロフィーを掲げることができたら、若手にとってはこれが初めての優勝経験になるかもしれない。
彼らは成功の味を味わうかもしれないし、それが“やみつき”になるかもしれない。次世代の偉大なバルセロナがここから始まろうとしている。


