27日のラ・リーガ第3節、バルセロナは敵地バジェカスでのラージョ・バジェカーノ戦を2-1で制した。
バレンシア、アトレティック・クルブを良質なパフォーマンスで下し、開幕2連勝を果たしたフリック監督率いるバルセロナ。アトレティック戦から中2日で戦う相手は、ここ6試合でわずか1勝(そのほか5試合は2分け3敗)、バジェカスでのここ3試合では1分け2敗と、大の苦手としているラージョである。
フリック監督は過密日程でもまだローテーションを行うタイミングではないとみなし、GKテア・シュテーゲン、DFクンデ、クバルシ、イニゴ・マルティネス、ジェラール・マルティン(左サイドバックだけバルデから変更)、MFベルナル、ペドリ、ヤマル、ハフィーニャ、フェラン、FWレヴァンドフスキと前試合とほぼ同じメンバーを起用。選手登録が完了したダニ・オルモはベンチからのスタートとなっている。
前半、バルセロナはラージョが苦手なチーム、バジェカス(ピッチがラ・リーガで最も狭い)が苦手なスタジアムであることを改めて痛感することになる。イラオラ現ボーンマス監督の元アシスタントコーチ、イニゴ・ペレス監督が指揮するラージョは、得意のサイド攻撃からバルセロナを押し込み、10分に先制点を記録した。右サイドを突破したデ・フルトスのグラウンダーのクロスから、2列目から飛び出してきたウナイ・ロペスがシュートを決め切っている。
早い時間帯に失点を喫したバルセロナは、ラージョの組織立った守備に攻めあぐねる。どうにも行き詰まり、ヤマルの才能に頼ることになったが、ペナルティーエリア手前から放ったシュートがGKカルデナスの正面に飛ぶなど、結局同点ゴールを奪えないまま前半を終えている。
ハーフタイム、フリック監督はフェランとの交代でダニ・オルモを起用。バルセロナは後半、同選手とともにパフォーマンスの質を向上させている。59分、ダニ・オルモ自身がクロスバー直撃のミドルシュートを放ち、バジェカスの観客を凍りつかせると、その1分後についにスコアをタイに戻した。ペナルティーエリア内左のハフィーニャが中央にパスを送り、そこに飛び出してきたペドリが左足のシュートでネットを揺らしている。
バルセロナはその後、前半に攻守両面で飛ばしすぎたためか疲労が色濃く、トランジションのスピードに陰りが見えるラージョを攻め立てる。71分にはヤマルのシュートをカルデナルが弾き、そのこぼれ球からレヴァンドフスキがシュートを決めたが、これは直前のクンデのチャバリアに対するファウルを取られてゴールと認められなかった。
なかなか2点目が決まらないバルセロナだったが82分、ドラマチックにもダニ・オルモがスコアをひっくり返した! ヤマルがペナルティーエリア内右深くまで侵入して、マイナスのグラウンダークロス。ダニ・オルモはこのクロスを左足でトラップすると、もう一度、素早く左足を使ってシュートを放った。地を這う狙い澄まされたボールは、カルデナスの横っ飛びを意味のないものとしながら、枠内左に収まっている。
ダニ・オルモが今季初出場で初ゴールを決めたバルセロナは終盤、ペドリやベルナルが足を痛める心配な場面もありながら、1点リードを維持したまま試合終了のホイッスルを迎えている。大苦手ラージョを相手にやはり苦戦したものの、10年ぶりのクラブ復帰を果たした男の劇的な活躍によって、ラ・リーガ開幕3連勝を果たしている。




