19日のラ・リーガ第32節、バルセロナはホームでのセルタ戦を4-3で制した。
先週のミッドウィーク、アウェーでボルシア・ドルトムントに1-3で敗れながらも、1stレグに4-0で勝利していたためにチャンピオンズリーグ準決勝進出を決めたバルセロナ。ただ2025年、25試合目で初の敗北を喫し、ラ・リーガ前節レガネス(1-0)戦に続きオウンゴールでしか得点を決められないなど、プレーの低調ぶりが気になるところだ。
ドルトムント戦でぺドリを温存したフリック監督は、今度はヤマルをベンチスタートに。GKシュチェスニー、DFクンデ、クバルシ、イニゴ・マルティネス、ジェラール、MFフェルミン、フレンキー・デ・ヨング、ぺドリ、FWハフィーニャ、レヴァンドフスキ、フェランを先発で起用している。
前半、バルセロナはボール保持してセルタ陣地で試合を進めるが、ヒラルデス監督率いるチームの非常に規律立った、ほぼスペースを与えない守備を前にチャンスをほとんど生み出すことができない。しかし13分、フェランが個人技からその密度の濃い守備を攻略。セルタのDFとMFのライン間でボールを受けたティブロン(フェランの愛称、サメの意)は、ペナルティーエリア手前右から右足でグラウンダーのシュートを放ち、GKグアイタを破った。フェランは今季17得点目(ラ・リーガ10得点目)で、85分毎に1得点を決めている計算となる。
先制したバルセロナだが、15分にセルタが反撃。右サイドを抜け出したパブロ・ドゥランがグラウンダーのクロスを送ると、これがシュチェスニーに不用意な飛び出しを促し、バルセロナGKが取り損なったボールをボルハ・イグレシアスが枠内に押し込んでいる。スコアをタイに戻されたバルセロナは、その後もセルタの堅守に苦戦。42分には速攻からイライクス、ロサーダと立て続けにシュートを放たれたが、ここではシュチェスニーが好セーブを見せて逆転を阻んだ。前半は1-1で終了する。
後半もバルセロナが攻めあぐねる状況は変わらず、非常に堅い守りからカウンターを仕掛けるセルタ、もっと言えばボルハ・イグレシアスの餌食となった。パンダ(ボルハ・イグレシアスの愛称)はまず52分、ジェラール&F・デ・ヨングの連係ミスに乗じてDFラインを突破し、この日2ゴール目を記録。さらに62分にもロングボールから走り出したセルタの7番は、三度バルセロナの脆弱なDFラインとシュチェスニーを破って、スコアをひっくり返している。
逆転されたバルセロナだったが、ここから底力を見せた。3失点目の直前に投入されたヤマル、ダニ・オルモらとともに攻勢を仕掛けると、64分にまず1点を返すことに成功。前線でレヴァンドフスキ、ハフィーニャとボールをつなぎ、背番号11の絶妙なスルーパスからダニ・オルモがペナルティーエリア内左に侵入すると、対角線上に左足のシュートを放ってネットを揺らした。バルセロナはさらにその4分後、右サイドのヤマルが送ったクロスから、DFラインを抜け出したハフィーニャがヘディングシュートを決め切って同点に追いついている。
試合は3-3のままアディショナルタイムに突入する。このまま同点で終わるかに思われたが、ドラマは最後の最後に待っていた。96分、ペナルティーエリア内でダニ・オルモが後方からジョエル・ラゴに倒されてバルセロナがPKを獲得! キッカーを務めたハフィーニャが枠内右に冷静にシュートを決め切り、バルセロナが劇的な再逆転勝利を果たしている。
勝ち点を73としたラ・リーガ首位バルセロナは、2位レアル・マドリーとの勝ち点差を暫定で7としている。もしこの試合を引き分け以下の結果で終えていた場合、マドリーが翌日のアスレティック・ビルバオ戦で勝利すれば勝ち点差を2以下まで縮められることになり、クラシコも残っているために自力優勝の可能性を与えることになった。つまり本当に価値のある、再逆転勝利となった。




