21日のチャンピオンズリーグ(CL)・リーグフェーズ第8節、バルセロナはアウェーでのベンフィカ戦を5-4で制した。
リーグフェーズで首位リヴァプールに続いて2位に位置するバルセロナ。この試合に勝利すればベスト16進出をほぼ確実にできる状況だが、前試合ヘタフェ戦を1-1で引き分け、ここまで好調だった2025年の歩みに陰りが見え始めたのが気にかかる。
フリック監督はGKシュチェスニー、DFクンデ、アラウホ、クバルシ、バルデ、MF後列カサド、ペドリ、前列ヤマル、ガビ、ハフィーニャ、レヴァンドフスキをスタメンで起用。システムは4-2-3-1。
前半開始早々、スコアが動く。決めたのはホームのベンフィカだ。2分、アルバロがサイドチェンジのボールから左サイドを突破。クンデに詰められる前にクロスを送ると、パヴリディスがマークについたクバルシに先んじて動き、ボレーシュートを突き刺している。
いきなりビハインドを負ったバルセロナは、13分に一時同点に追いつく。バルデがボックス内左でトマス・アラウージョに倒されてPKを獲得。キッカーのレヴァンドフスキが枠内右にシュートを突き刺した。
スコアをタイに戻し、このまま逆転したいバルセロナだったが、前半のパフォーマンスは低調なものに終始。攻撃では各選手の距離が離れ過ぎ、なおかつレヴァンドフスキのポストプレーも機能せずベンフィカの4-4-2ブロックを崩すことができない。逆に後衛……、もっと言えばシュチェスニーのミスから、失点を重ねてしまった。
ベンフィカは22分に勝ち越しゴールを決める。オタメンディがロングボールを送ると、これに反応したシュチェスニーとバルデが連係ミスから衝突。2人が倒れているのを横目にボールを拾ったパヴリディスが、無人となったゴールにそれを流し込んでいる(バルセロナはシュチェスニーの飛び出しが不用意で、なおかつ自分を見ていなかったバルデに掛け声をかけられたはずだ)。
ベンフィカはさらに28分に3点目を記録。ボックス内でアクトゥルコールがシュチェスニーに倒されたとしてPK判定に。キッカーのパヴリディスが冷静にシュートを決め切って、ハットトリックを達成した。
迎えた後半、2点ビハインドのバルセロナはベンフィカ陣地でボールを回していくが、やはり全体の距離間が悪く、アタッキングサードでの崩しの術を欠き続ける。フリック監督は62分に交代カードを切り、カサドとガビをフレンキー・デ・ヨングとフェルミンに代えた。
すると65分、バルセロナが意外な形で2点目を決めた。GKトルビンの低空のフィードをボックス手前のハフィーニャがヘディングで跳ね返し、これが枠内が収まっている。ハフィーニャはこれが今季21得点目で、バルセロナでの自己得点数記録を更新し続けている(その前の2シーズンはそれぞれ10得点)。
1点差としたバルセロナだが、近づけばまた引き離される……。ベンフィカは67分、左サイドのシェルデルップがグラウンダーのクロスを送り、これがアラウホのオウンゴールを誘発した(アラウホとシュチェスニーはもっとコミュニケーションを取れたはずだ)。
またも2点のビハインドを負ったフリック監督は、74分にクンデとバルデを下げてエリック・ガルシアとフェラン・トーレスを投入する。すると、その2分後にはボックス内でヤマルがオタメンディに倒されてPKを獲得。レヴァンドフスキが再びキッカーを務め、この日2点目を決めている。
またも1点差としたバルセロナは86分、ようやく同点に追いついた。87分、セットプレーの流れから、この日も超絶的なパスを連発していたペドリが絶妙なクロスをペナルティーエリア内に送ると、エリック・ガルシアがヘディングシュートでトルビンを破っている。
試合はこのまま4-4で終わるかに思えたが、最後の最後にまたスコアが動いた! バルセロナが動かした! ベンフィカのセットプレーをバルセロナが守り切り、カウンターを仕掛けたハフィーニャがボックス内に侵入。ブラジル人FWはそのまま左足で強烈なシュートを放ち、ネットを揺らした。試合は、バルセロナの劇的勝利で幕を閉じている。
バルセロナはリーグフェーズの成績を6勝1敗として、7戦全勝のリヴァプールに続いて2位の座を維持。CLベスト16進出を決めている。