アトレティコホームの1stレグは、アトレティコが4-0と大差で勝利。シメオネ監督率いる同チームがここまで戦ってきた780試合で、4点差をつけられて負けたことは過去5回しか存在しない。なおかつそのスコアはすべて0-4で、ボルシア・ドルトムント(2018)、バイエルン(2020)、ベンフィカ(20224)、PSG(2025)、アーセナル(2025)と、スペイン国外のチームにしか負けていない。つまりバルセロナにとって逆転での決勝進出は、まさに“奇跡”となる。
1stレグでは負傷していたぺドリ、ハフィーニャを先発させたバルセロナは、立ち上がりからアトレティコ陣地で試合を進めて、“奇跡”の実現のための積極的にゴールを狙っていく。だが、やはりアトレティコの堅守を崩すのは簡単ではなく、なおかつ12分にはクンデが負傷するハプニングにも見舞われた(代わりにバルデが出場)。
それでもバルセロナは果敢に攻め続け、ぺドリのゲームメイクからハフィーニャ、フェラン、ヤマルらが次々にシュートを放つものの、ボールは枠を外れるかGKムッソの手中に収まった。対してアトレティコは速攻であわよくばリードを広げようとし、27分にはグリーズマンがフィニッシュに持ち込んだが、これはGKジョアン・ガルシアのセーブに遭う。
そうして30分が過ぎたところで、バルセロナが“奇跡”の足がかりとする先制点を獲得した。ペナルティーエリア内左のヤマルが圧倒的な切れ味のドリブルで2人をかわし、ゴールライン際からグラウンダーのクロス。ゴール手前でフリーとなっていたベルナルが、このボールを右足で押し込んでいる。
3点差に詰め寄られたアトレティコは前半AT2分、マルコス・ジョレンテのクロスからルックマンがダイビングヘッドを放つものの、これは惜しくも枠を捉えられず。するとその直後、バルセロナが2点目を記録することに成功。ペナルティーエリア内でぺドリがプビルに倒されてPKを奪取すると、キッカーのハフィーニャがしっかりとシュートを決め切っている。バルセロナがビハインドを2点まで減らして、試合は折り返しを迎えた。後半もバルセロナがボールを保持して攻め込み、アトレティコが堅守速攻を見せる展開は変わらず。バルセロナはフェラン、ヤマルらがシュートを放っていくも、ことごとくムッソのセーブに阻まれる。
シメオネ監督は57分に交代カードを切り、コケ、ルックマンとの交代でモリーナ、スルロットを投入。また69分にはフリアン・アルバレスをバエナと代えた。対してバルセロナのフリック監督は64分にフェルミン、フェランをオルモ、ラッシュフォードに代え、また70分には痛めていたバルデとの交代でアラウホをピッチに立たせた。
そして73分、バルセロナが3点目を記録。CKからの流れで、カンセロのクロスからベルナルが右足でボールを押し込み、この日2ゴール目を決めた。ベルナルはオフサイドポジションに位置していたようにも見えたが、正当なゴールと認められ、テクニカルエリアのシメオネ監督は分かりやすく肩を落としている。
同点まで1ゴールに迫ったバルセロナ。観客の応援を背中に受けながら(この試合から応援団席が復活。750人が応援の音頭を取っている)、アトレティコを圧倒的に押し込んだものの、しかし最後の1点が遠い。結局、ムッソが好守を連発したアトレティコが1点リードを最後まで維持して、試合は終了のホイッスル。バルセロナは780分の5、パーセンテージにして0.641%の“奇跡”にあと一歩まで迫りながら、成し遂げることはかなわなかった。ギリギリながら1stレグのリードを守り切ったアトレティコは13年ぶりのコパ決勝進出。決勝ではレアル・ソシエダ対アトレティック・クルブの勝者と対戦する。前回の決勝ではサンティアゴ・ベルナベウを舞台に、レアル・マドリーを破って通算10回目の優勝を果たしたが、再び戴冠を果たすことはできるだろうか。