16日のラ・リーガ第28節、アトレティコ・マドリー対バルセロナは4-2でバルセロナの勝利に終わった。
ラ・リーガ優勝争いの行方を左右する重要な一戦だ。優勝候補のもう一角レアル・マドリーは、前日ビジャレアルに2-1で勝利。前節オサスナ戦が延期となったバルセロナは、この試合を引き分け以下で終えれば、暫定ながらも彼らに抜かれて首位陥落となるために勝利がほしいところだ。一方のアトレティコもスペイン2強と争い続けるため、ここで勝ち点3を獲得してインターナショナルウィークを迎えることを目指す。
試合は予想通りの展開に。チャンピオンズリーグ(CL)のベンフィカ戦(2戦合計4-1でベスト8進出)から中4日でこの試合を迎えたバルセロナは、前半の大半の時間帯をアトレティコ陣地で過ごして先制点を狙う。対してCLレアル・マドリー戦(2戦合計2-2、PK戦2-4で敗退)の激闘から中2日のアトレティコは、5-4-1の守備ブロックでバルセロナの攻撃を防ぎ続けて、速攻にゴールの望みをかけている。
バルセロナは5分、DFラインを抜け出したヤマルがシュートを放つも、これは惜しくも左ポストに当たって枠外へ。その後はアトレティコの堅い守備を前にして、ボールを保持するものの攻めあぐねる状態が続く。フリック監督のチームが次に惜しいチャンスを迎えたのは、前半終了間際の44分。ぺドリのお膳立てからレヴァンドフスキがシュートまで持ち込むも、こちらはバーをかすめるのみだった。
そして、レヴァンドフスキのチャンスの直後、ついにスコアが動いた。動かしたのは、アトレティコ。カウンターから、まるで外科手術に取り組んだような繊細かつ正確なプレーでゴールを決めている。
オブラクのフィードから、グリーズマンがバルセロナのハイラインを突破(イニゴ・マルティネスが残っていた)。左サイドからグラウンダーのクロスを送ると、ファーに流れたボールをジュリアーノが右足ダイレクトで中央に折り返す。そこに詰めていたのは……フリアン・アルバレス! アルバレスは足元に入ってくるボールに、GKシュチェスニーとの位置関係も計算に入れながらうまく右足で合わせ、ネットを揺らしている。
前半はアトレティコの1点リードで終了。迎えた後半もバルセロナがボールを保持して攻め立て、アトレティコが堅守速攻で応戦する状況が続き、70分にまたもアトレティコのカウンターが炸裂する。再びイニゴ・マルティネスが残っていたハイラインを突破し、途中出場のギャラガーがペナルティーエリア内左に侵入。折り返されたボールから、こちらも途中出場のスルロットがシュートを決め切った(今季バルセロナ戦3試合3得点目!)。
だが、2点ビハインドを負ったバルセロナもここから反撃。まず73分、オーバーラップしたイニゴ・マルティネスがクロスを送ると、レヴァンドフスキが胸トラップから素早くシュートを放って1点を返す。さらに78分にはオルモとの交代で出場していたフェランが、ハフィーニャの力強いクロスに頭で合わせてGKオブラクを破った。スコアはタイに戻っている。
終盤は攻守が激しく入れ替わる展開となるが、やはりアトレティコの方が疲労が溜まっているせいか、足が止まり始める。そうしてアディショナルタイム2分に勝ち越しゴールが生まれた。決めたのは、バルセロナだ。ペナルティーエリア内手前右でボールを持ったヤマルが左足でシュートを放つと、眼前のレイニウドに当たってコースが変わったボールが、オブラクの横っ飛びも空しく枠内左に収まった。
ついにリードを得たバルセロナは98分、決死の猛攻を見せるアトレティコを相手にカウンターを仕掛けて、フェランがこの日2点目を決めてダメ押し。結局、アトレティコに2点差をつけて試合終了のホイッスルを迎えている。これでラ・リーガの順位は首位バルセロナ(勝ち点60、1試合未消化)、得失点差で2位レアル・マドリー(勝ち点60)、3位アトレティコ(勝ち点56)となった。




