ヘルマン・ブルゴス氏が、スペイン『モビスタール・プルス』で発言した内容が物議を醸している。
元アルゼンチン代表GKで、選手としてもプレーしたアトレティコ・マドリーでは2012〜2020年の間、盟友ディエゴ・シメオネ監督の助監督を務めたブルゴス氏。現在はスペインでラ・リーガ、チャンピオンズリーグ(CL)などを放送する『モビスタール・プルス』で解説者を務めているが、10日のCL準々決勝1stレグ、PSG対バルセロナの直前に発した言葉が問題視されることになった。
ブルゴス氏はバルセロナの16歳FWラミン・ヤマルについて、次のように語ったのだった。
「しかし彼は成功しなければ、終いには信号機で生活することになるな」
ブルゴス氏が言う「信号機で生活する」は、信号機が青になるのを待つ車を前にして、チップ目的に曲芸を行う人間になることを指していると思われる。この発言はSNSで瞬く間に広がり、職業差別や黒人差別ではないかという指摘も行われることになった。
するとCLを主催するUEFA、またバルセロナ、PSGはブルゴス氏の発言に対する抗議として、『モビスタール・プルス』に監督や選手のインタビュー許可を与えないことを決定。『モビスタール・プルス』でPSG対バルセロナの現地リポーターを務めていたリカルド・シエラ氏が中継でマイクを握り、次のように説明している。
「多くの視聴者がバルサ関係者とのインタビューや対話を心待ちにしていたと思います。ですがUEFA、PSG、バルサからは私たちに対応しない旨を伝えられました。彼らは試合前にスタジオで発せられた、ある言葉に激怒しています。そのために今回、私たちはどんなインタビューも行うことができません。ここから謝罪をさせていただきます。スタジオでも同様に謝罪を行わなければなりません」
その後スタジオでは、ブルゴス氏本人が釈明と謝罪を行なっている。
「私は『彼のような技能を手にできたら』と言いたかっただけだ。誰かを傷つける意図はなかった。攻撃を受けたと感じた人がいるならば謝らせていただく。ときにはユーモアが問題を生じさせる。今のような時代には、あらゆることに適応しなければならない」




