6日のラ・リーガ第30節、アトレティコ・マドリーは敵地サンチェス・ピスフアンでのセビージャ戦を2-1で制した。
チャンピオンズリーグではベスト16のレアル・マドリー戦で、FWフリアン・アルバレスのゴール取り消しもあってPK戦で敗退。またラ・リーガでは残り9試合の段階で首位バルセロナに勝ち点9差(現在は暫定10差)をつけられ、コパ・デル・レイ準決勝でも同チーム相手に敗退……。この1カ月間でほぼ全タイトルを失ったアトレティコだが、リーグ戦の逆転優勝についてはまだかすかな希望が残されている。
前日には2位レアル・マドリーがバレンシアに敗れ、首位バルセロナがベティスとドロー。アトレティコはこのセビージャ戦に勝利すれば、それぞれとの勝ち点差を「3」と「7」まで縮めることが可能だ。 その希望にかけたいシメオネ監督はGKオブラク、DFモリーナ、ル・ノルマン、ラングレ、アスピリクエタ、MFジュリアーノ、マルコス・ジョレンテ、バリオス、ギャラガー、FWグリーズマン、フリアン・アルバレスを先発で起用している。
前半、主導権を握ったのはセビージャだった。前節、セビージャダービーを落としたピミエンタ監督率いるチームは、そこからリアクションを見せるようにシーズンベスト級のパフォーマンスを披露し、7分には先制点を記録。バルガスのヒールパスから左サイドを抜け出したペドロサがボールを折り返し、アゴメが強烈なシュートを突き刺している。
対するアトレティコは、サポーターの失望を深めるプレーに終始。中盤と前線ではギャラガー、ジョレンテ、アルバレスが、DFラインではル・ノルマンが奮闘するも、全体的にはチグハグで、勢いが感じられず低調だった。とりわけグリーズマンの不調ぶりは深刻で、存在感がまったくなかった。それでも23分には、ペナルティーエリア内でギャラガーがバデに倒されてPKを獲得。キッカーのアルバレスが冷静にシュートを決め切り、スコアをタイに戻して試合を折り返している。
後半、シメオネ監督は55分にグリーズマン、アスピリクエタを下げてスルロット、コケ(負傷から復帰して2月15日以来の出場)を投入。また68分にはジュリアーノをリケルメに代えた。引き分けで満足してはいけないチームはその後、攻勢を強めていったものの、逆転ゴールには届かない。とりわけギャラガーがアタッキングサードで精力的なプレーを見せていたが、ラストパスの精度を欠き続けた。
シメオネ監督は78分にギャラガーをレマルに代えて、交代枠を使い切る。終試合盤、セビージャ陣地で試合を進め続けるアトレティコは、後半AT3分にその執念を実らせた! ピッチ中央でボールを持ったバリオスがペナルティーエリア手前までドリブルを仕掛け、バランスを崩しながら左足でグラウンダーのシュート。ゴールへのパスようなボールが、枠内左隅に収まっている。バリオスはこれがラ・リーガ初得点。
アトレティコはこのリードを最後まで守り切り、逆転勝利を果たした。2位レアル・マドリーとの勝ち点差を3、首位バルセロナとの差を7に縮めて、逆転優勝への望みをかすかながら繋いでいる。




