18日のコパ・デル・レイ(スペイン国王杯)ベスト32、アトレティコ・マドリー対レアル・マドリーは延長戦の末、4-2でアトレティコが勝利を果たしている。
10日にスーペルコパ準決勝(5-3でマドリー勝利)で戦ったばかりの両チームが、舞台をサウジアラビア首都リヤドからスペイン首都に変えて再び対戦。この試合が行われるシビタス・メトロポリターノは、絶好調マドリーが今季臨んできた27試合で、唯一敗戦を喫した舞台でもある。今季ラ・リーガ前半戦のダービーに敗れたマドリーにとっても、スーペルコパで敗れたアトレティコにとっても、“リベンジ”を果たしたい一戦だ。
前半は攻守が激しく入れ替わる一戦に。その中でゴールに近づいていったのは、アウェーのアドリーだった。11分にペナルティーエリア内のベリンガムがコケをかわしてからクロスバー直撃のシュートを放ち、また20分にはロドリゴ、ヴィニシウスと立て続けにシュートチャンスを迎えている(いずれもGKオブラクがセーブ)。
だが実際にスコアを動かしたのは、ホームのアトレティコだった。39分、右サイドのデ・ポールがクロスを送ると、リュディガーが頭でクリアし切れなかったボールがファーサイドへ。そこに詰めていたサムエウ・リーノが、滑り込みながらボールを枠内に流し込んでいる。
「テ・キエロ・アトレティ(アトレティ愛してる)!」のチャントが響き渡るなど、先制点で要塞として形を取っていくメトロポリターノ。だが前半アディショナルタイム、レアル・マドリーが今季の主要武器の一つセットプレーでスコアをタイに戻した。左サイドのフリーキックからモドリッチがペナルティーエリア内にボールを送ると、リュディガーが不用意に飛び出したオブラクと競り合い、アトレティコ守護神のオウンゴールを誘発している。
1-1で迎えた後半、次のゴールもミスから、相手選手が関与したところから生まれた。57分、マルコス・ジョレンテの送ったクロスがGKルニンとリュディガーの連係ミスを誘発。ルニンの弾いたボールがすぐそばのリュディガーの足に当たって跳ね返り、そのこぼれ球をマドリーを古巣とするモラタが押し込んで、アトレティコが勝ち越した。
ビハインドを追ったマドリーのアンチェロッティ監督は66分にメンディ、モドリッチを下げてクロース、ブラヒムを投入(左サイドバックはカマヴィンガに)。また74分にはバルベルデをチュアメニに代えた。
マドリーは攻めて、攻めて、攻め続ける。75分にはブラヒムの横パスからペナルティーエリア内のロドリゴがシュートを放つも、これは右ポストに直撃。アンチェロッティ監督は80分、そのロドリゴをホセルと代えて90分間での交代枠を使い切る。直後の81分にはアトレティコの鋭いカウンターからモラタの決定機を許したが、ここではルニンが好セーブを見せている。
そして82分、アトレティコは3点目を決め切れなかったツケを払い、反対にマドリーは執念の攻撃をついに実らせた。ヴィニシウスのスルーパスからペナルティーエリア内左に入り込んだベリンガムがクロスを送ると、ファーで待ち受けていた途中出場ホセルがヘディングシュートでオブラクを破っている。これでスコアは2-2の同点となり、スーペルコパに引き続いて試合は延長戦に突入することになった。
延長戦前半、次にリードを得たのはまたもアトレティコだった。99分、7番グリーズマンがマドリーの7番ヴィニシウスに追いかけられながらも、そのまま右サイドを独走してペナルティーエリア内右に侵入。ゴールライン際で角度はほとんどなかったものの、フランス代表FWは左足でシュートを打つことを選択し、このボールが見事枠内に収まっている。グリーズマンは衝動でそのままユニフォームを脱ぎ、チームメートとゴールを祝った後、地面に置かれたユニフォームのエンブレムにキスをした。その後、もちろんイエローカードも提示されている。
延長戦後半はマドリーの一方的にボールを保持したが、入ったばかりのセバージョスのゴールがオフサイドとなるなど今度は同点まで届かず。スーペルコパ決勝でクラシコを戦い中日でこの試合に臨んだマドリーに余力は感じられず、対してアトレティコは中日の余裕があったばかりか、スタンドが白に染まったサウジアラビアとは違い観客の確かな後押しも受けていた。そして119分、速攻からロドリゴ・リケルメがアトレティコの4点目を決めて、勝負あり。赤白のチームが2点リードで試合終了のホイッスルを迎え、コパ準々決勝に進出している。対してマドリーは、ラ・リーガ、チャンピオンズリーグと並ぶ今季のメジャータイトルの一つをここで失ってしまった。




