Frente AtleticoGetty Images

ラ・リーガ、過去に2回殺人事件を起こしているアトレティコのウルトラスを解体へ…「彼らが姿を消すべき理由はもう十分に存在する」

スペインプロリーグ機構ラ・リーガのハビエル・テバス会長が、アトレティコ・マドリーのウルトラス、フレンテ・アトレティコを解体させる意思を明らかにした。

アトレティコの本拠地メトロポリターノの南スタンドに陣取るウルトラス、フレンテ・アトレティコ。先のレアル・マドリーとのダービーではフレンテのメンバーと思われる人物たちがGKティボ・クルトワに対してライターなどの物を投げ入れ、スペインフットボール連盟の規律委員会は同区画を1試合閉鎖処分とした。またスペイン国家反暴力委員会もこの出来事を重く見ており、メトロポリターノを2週間にわたって完全閉鎖することを提案している。

今回の件で、フレンテをスタジアムから追放すべきとの声は高まっているが、アトレティコに動く考えはない様子。同クラブはゴール裏の人々をフレンテという組織として認知しておらず、何もしていない年間シート購入者を無理には追い出せないと主張している(ライターを投げた人物たちについては特定して追放処分としている)。しかしながらその一方で、テバス会長はフレンテを解散させる考えを固め、すでに動き出しているようだ。

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弁護士を本職とするテバス会長は、21日に報道陣に対して次のように語っている。

「アトレティコに対する処罰が適当かどうかを話す気はない。しかし、これだけは言わせてもらう。私たちはフレンテ・アトレティコを法的に解体するために動いている。あのスタンドにファンがいても、フレンテ・アトレティコという組織は存在させはしない。それが私たちの目標だ」

「フレンテ・アトレティコは、姿を消すべき出来事を十分に起こしてきた。確かに、本当のメンバーは60〜100人くらいなのかもしれない(※アトレティコの応援の音頭を取る南スタンドは5000席確保されている)。だがフレンテの周りには彼らの行動を黙認したり、笑ったりしている人間たちがいるんだ。それもフレンテの行動と同様に深刻だ」

「アトレティコの方針が正しいかどうか私に意見を言う権利はないし、なぜ彼らを追放できないのかは分からない。それぞれが自分たちの戦略を立てればいい。私が知るのは私の戦略だけだ」

極右集団として知られるフレンテ・アトレティコは、1998年にレアル・ソシエダのサポーター、アイトール・サバレタ氏をアトレティコの前本拠地ビセンテ・カルデロン付近のバルで殺害し、2014年にはデポルティボのウルトラスとの乱闘でフランシスコ・ロメロ氏を死に至らしめた。2005年には数十人のメンバーがマスク姿でアトレティコの練習場に侵入して、選手たちを脅迫する事件も起こし、最近にはレアル・マドリーの練習場の近くでヴィニシウスの首吊り人形を橋の下に吊るすという行為にも及んでいる。

なお過去にはレアル・マドリーがウルトラス・スル、バルセロナがボイショス・ノイスというウルトラスにスタジアムの応援の音頭を取らせていたが、両クラブとも10年以上前に彼らを追放。アトレティコもその動きに追従すべきだったと指摘され続けてきた。

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