現地時間12日、イングランド・FAカップは3回戦が行われ、冨安健洋の所属するアーセナルはホームのエミレーツ・スタジアムにマンチェスター・ユナイテッドを迎えた。
年明けの公式戦3試合で1勝1分1敗と波に乗り切れていないアーセナル。直近のカラバオカップでベンチスタートだったジェズス、メリーノ、ジョルジーニョが先発し、ライス、トーマス、トロサールがベンチからのスタート、負傷中の冨安はベンチ入りメンバーから外れている。
一方、直近のリーグ戦で首位リヴァプールと引き分けたユナイテッドは、そのメンバーから攻撃陣をけん引するアマド・ディアロに代えてガルナチョを先発起用。GKにはオナナではなくバユンドゥルを起用した。
前半は18分にジェズスのスルーパスからマルティネッリがネットを揺らすが、これはオフサイドの判定でノーゴールに。
38分には、カウンターからペナルティーエリア手前でシュート態勢に入ったブルーノ・フェルナンデスに対してジェズスが後ろからチャージを仕掛けて接触。B・フェルナンデスは左足のスパイクが脱げたことでファールをアピールしたが、笛が鳴らなかったためにスパイクを地面に投げつけて激怒。これが抗議とみなされ、イエローカードが提示された。一方、接触したジェズスも負傷し、そのまま担架で運ばれて40分にスターリングとの交代を余儀なくされた。
互いに無得点のまま迎えた後半、ユナイテッドが一瞬のチャンスを生かす。52分、右サイドでガブリエウのヘディングでのクリアミスをガルナチョが奪ってカウンター。ドリブルで運び、ペナルティーエリア手前で中央に横パスを出すと、走り込んだB・フェルナンデスが難しいバウンドのボールをダイレクトでゴール右へと沈め、ユナイテッドが均衡を破った。
先制したユナイテッドだったが、61分にアクシデントが発生。メリーノに対して足裏を見せてタックルに行ったダロトが2枚目のイエローカードを受けて退場。10人での戦いを余儀なくされる。
するとその直後、左サイドからマルティネッリが入れたクロスはGKバユンドゥルがはじき返したものの、エリア内右にこぼれたボールをガブリエウが左足ボレーで捉えると、デ・リフトに当たってコースの変わったボレーがゴール右へと決まり、数的優位を得たばかりのアーセナルが同点に追いつく。
さらに69分、右サイドから仕掛けたスターリングのパスをエリア内で受けたハヴァーツがマグワイアをかわそうとして倒されPKを獲得。FAカップにVARはなく、判定に納得のいかないユナイテッドイレブンがハヴァーツに詰め寄り、一触即発の揉み合いに発展してマグワイアとハヴァーツ、ガブリエウにそれぞれイエローカードが提示された。
しかし、このPKをウーデゴールがゴール右に蹴ると、GKバユンドゥルが読んでセーブし、絶体絶命のピンチを切り抜ける。
逆転の絶好機を逸したアーセナルは直後にメリーノを下げてライスを投入。すると76分にはウーデゴールが右から入れたクロスをファーサイドでフリーとなっていたライスが頭で合わせるが、至近距離からのヘディングはGKバユンドゥルが素晴らしい反応でゴール上へとはじき出した。
数的不利のユナイテッドは80分、ガルナチョ、メイヌー、ホイルンドを下げてディアロ、コリヤー、ザークツィーを投入し勝負に出る。88分には右クロスをゴール前に飛び出したハヴァーツが受けて決定機を迎えるが、押し込むだけのシュートは枠の外へ。数的優位のアーセナルが攻勢に試合を進めるものの、決定機を決めきることができない。
アディショナルタイムの7分間でも猛攻を仕掛けるアーセナルだが、GKバユンドゥルの好守もありユナイテッドが耐えしのぎ、試合は延長戦へと突入する。
延長ではアーセナルがトロサールとトーマス、ユナイテッドがマラシア、さらにはヨロを投入。アーセナルの攻勢が続く中、100分にはジョルジーニョの浮き球パスにハヴァーツが抜け出し、エリア内右から折り返したボールを走り込んだトロサールが押し込むだけだったが、これはデ・リフトがギリギリのところでクリアした。
ユナイテッドは最後まで集中した守備を維持し、アーセナルに逆転ゴールを許さず。120分間の激闘は決着つかず、次のラウンド進出はPK戦へと委ねられた。
PK戦では、5人全員が成功した先攻のユナイテッドに対し、後攻のアーセナルは2人目のハヴァーツのキックがGKバユンドゥルに止められ失敗。数的不利の状況を耐え抜いたユナイテッドが敵地でのPK戦を制し、4回戦へと駒を進めた。
■試合結果
アーセナル 1(3PK5)1 マンチェスター・U
■得点者
アーセナル:ガブリエウ(63分)
マンチェスター・U:B・フェルナンデス(52分)




