Amad-Diallo(C)Getty Images

「まるでメッシのよう」マンチェスター・Uが51億円で獲得した18歳アマド・ディアロ・トラオレとは何者なのか?

この夏の初め、多くの人々は夏の移籍市場が閉幕する前にマンチェスター・ユナイテッドが大金を注ぎ込み、彼らが若く才能あふれるサイドアタッカーをクラブに迎え入れることを予想していた。

ユナイテッドは長らくジェイドン・サンチョに興味を示しており、ボルシア・ドルトムントとの交渉は簡単ではないにせよ、最終的には彼らがこの若きイングランド代表の至宝を口説き落とすであろうと思われていた。

しかし、ユナイテッドは移籍市場が幕を開けた早々にその交渉に失敗すると、ターゲットを変更した。彼らの新たな獲物は、そのキャリアの中でファーストチームとしての出場がわずか24分にしか満たないウインガーだったのだ。

■1月に加入へ

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アタランタとの交渉は移籍市場が閉幕する間際で成立し、アマド・ディアロ(以前はアマド・トラオレと呼ばれることが多かった)は、問題なく労働許可が下りれば、1月にオーレ・グンナー・スールシャール率いるチームに合流する。

ユナイテッドはこのコートジボワール人に前金で1900万ポンド(約26億円)を支払う予定であり、条件次第で最終的にその金額は3700万ポンド(約50億円)にまで達する見込みだ。

これはディアロの契約が、ユナイテッド史上10本の指に入る高額契約になり、ウェイン・ルーニーをはじめとした多くのスター選手たちよりも高い買い物になることを意味する。

無論、若きルーニーは2004年にチームに加入した後、その株を急上昇させたわけだが、ユナイテッドがディアロのために用意した金額は、まだトップリーグでの実力が証明されていない18歳に対しての期待の高さを感じさせる。

ディアロは同じくユナイテッドへの加入が決まったティーンエイジャー、ファクンド・ペリストリと共に、オーレ・グンナー・スールシャールにアピールする機会が与えられることになるだろう。そしてそれが成功すれば、ユナイテッドが2021年の夏になってもなお、サンチョに固執していることはなくなるかもしれない。

■4年間の追跡とその才能

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実のところ、ユナイテッドはディアロをダイヤの原石と認めて以来4年間かけて彼を追い、ついにオールド・トラッフォードに迎え入れることに成功したのだ。

ディアロがユナイテッドからの熱視線を浴び始めたのは、彼がまだ15歳だった2016年のことであり、クラブのスカウトたちは、彼がトップチームデビューを果たす2019年10月よりも前からしきりに契約の検討を打診していた。

ディアロはウディネーゼ相手のその試合で77分にピッチに登場すると、ハーフウェーライン付近からドリブルを開始し、ゴールから20ヤードの距離から矢のような低い弾道のシュートをゴール隅へと叩き込んだ。

このとき17歳と109日だった彼は、セリエAデビュー戦でゴールを決めた史上最も若いプレーヤーとして名を残したが、彼の明るいキャリア展望を考えれば、この先も多くの記録を塗り替えていくことが考えられる。

ディアロはアタランタに行き着くまでに、ユヴェントス、インテル、ミランといった強豪のトライアルにも参加しており、彼のキャリアに以前から着目していた人々は、彼がイタリアで最も有望なティーンエイジャーの1人であると信じてやまない。

その動きは素早く、左利きだが右サイドでのプレーを得意としているため、カットインからのシュートが彼の武器の1つ。アタランタのキャプテンであり、アルゼンチン代表でメッシのチームメイトでもあるパプ・ゴメスは、このヤングスターとメッシを並べて語る。

「彼のプレーはメッシのようだ。練習で彼を止めたければ、彼に蹴りを入れなきゃいけないんだよ!」

■クラブは将来の成功を確信

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それほどの才能を持っているディアロだが、ユナイテッドへの移籍はイタリアではサプライズと受け取られた。彼はレッド・デビルズが土壇場でオファーを決定するまでは、パルマへのレンタル移籍が濃厚とされていたからだ。

パルマのディレクターであるアレッサンドロ・ルカレッリは、移籍市場の締切日に怒り狂っていたことを『Sky Sports Italia』に語っていた。

「ディアロについてはアタランタに言いたいことがある。私たちはすでに合意に達していたが、そこからマンチェスター・ユナイテッドとの交渉が始まり、彼らはそこにディアロを売った。私たちは他のプレーヤーで埋め合わせをするだろうが、彼を手に入れられなかったことは痛手だよ」

とはいえディアロの実力について知っている人でも、彼がユナイテッドのファーストチームですぐに良い結果を出すことができるのかについては懐疑的だ。彼は新たな環境と新たなプレースタイルの両方に、自らを適応させる必要がある。

そしてディアロは、激しいチーム内競争にもさらされる。クラブにはすでにメイソン・グリーンウッドやダニエル・ジェームズといった若手有望株が在籍しており、そこに新たにペリストリが加わっただけでなく、1年以内にサンチョが合流してくることも考えられる。

しかし、ユナイテッドのスカウト陣やスールシャール、そしてディアロのプレーをイタリアで間近にみてきた人々は、彼が将来的にクラブにとって非常に重要な選手になることを確信しているのだ。

ユナイテッドファンにとってディアロの加入はサプライズだったかもしれないが、彼がチームにいてくれて本当によかったと心から感じる日はそう遠くないかもしれない。

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