AFCチャンピオンズリーグ(ACL)は13日に準決勝が行われ、蔚山現代FC(韓国)とヴィッセル神戸が対戦した。
FC東京と同居したグループFを6試合5勝1分けで切り抜け、ラウンド16のメルボルン・ビクトリー戦、準々決勝の北京国安戦を90分間で勝ち切った蔚山。無敗優勝へと突き進むべく臨む準決勝には、ジュニオール・ネグランやユン・ビッガラム、パク・チュホらを先発させた。
一方の神戸は、ジョホールが撤退したために3クラブでの争いとなったグループGを4試合2勝2敗ながらも首位で通過。ラウンド16では上海上港を2-0で下したが、準々決勝の水原三星戦は延長戦までの120分間を1-1で終え、PK戦の末に駒を進めた。
苦戦しながらも結果を手にし続けている神戸だが、蔚山戦では状態が懸念されていたアンドレス・イニエスタがメンバー外。古橋亨梧や山口蛍、トーマス・フェルマーレンらを先発させた。
試合は開始から蔚山が攻勢をかける。4分に右CKの流れからキム・インソンが右足でシュートを放てば、9分にもチョン・ドンホの右サイドからのアーリークロスに飛び込んだJ・ネグランが飛び込む。どちらも枠に飛ばなかったが、神戸は立て続けにゴールを脅かされた。
それでも14分にドウグラスが右サイド高い位置でボールを奪取してボックス内に侵攻。しかし、左足で放ったシュートは背後から追った蔚山DFにブロックされる。
続く23分、ディフェンスラインでサイドチェンジを狙ったボールがカットされて蔚山のカウンターが発動。しかし、キム・インソンがフリーの状態でボックス左から右足で放ったシュートはGK前川黛也がキャッチした。
29分にも蔚山に絶好機。ディフェンスラインからのフィード一本でキム・インソンが裏に抜け出してGK前川との一対一を迎える。シュートが枠を外れて難を逃れたものの、神戸はギリギリでの攻防が続く。
蔚山の攻撃をしのぎつつも幾度かアタッキングサードまで攻め込んでいく神戸だったが、なかなかシュートまではつながらず。0-0で試合の折り返しを迎える。
後半に入るとギアを上げる神戸。GKチョ・スヒョクの好守に阻まれたが、47分にはボックス手前中央の古橋がミドルシュートを打ち込む。
そして52分、右CKの場面でキッカーの安井拓也がグラウンダーのクロスを供給すると、ボックス内に走り込んだのは腕章を巻く山口。右足でしっかりとボールを捉えてネットを揺らし、貴重な先制点を奪取した。
ビハインドを背負った蔚山は交代カードを使用しつつ攻め込んでいくが、神戸も人数をかけてゴールを死守。65分には西大伍に代えてフレッシュな佐々木大樹を送り出す。
それでも70分にはボックス中央でボールを持ったJ・ネグランが左足でシュートを放つが、GK前川が冷静にキャッチ。ボールを保持できず突き放すことこそできない神戸だったが、集中した守備を維持する。
すると75分、神戸のカウンターが炸裂。安井がピッチ中央付近でボールを奪ったところから味方を経由して一気にボックス内右まで突き進んでシュートを放つと、GKチョ・スヒョクに弾かれたボールが中央へ。反応した佐々木大が押し込んでネットを揺らしたが、オンフィールドレビューが実施されたところ安井のファウルがとられて得点は認められない。
反対に81分、ロングパスに反応したキム・インソンが左サイドに抜け出して中央に折り返す。ボックス手間中央でボールを持ったビヨルン・ヨハンセンがグラウンダーのミドルシュートを放ってネット揺らすと、一度はキム・インソンのオフサイドでノーゴールとなったがオンフィールドレビューの結果、得点が認められた。
それでも直後には佐々木大がドリブルで持ち上がったが、蔚山DFのスライディングを受けてボックス目前で転倒。ボールには触れられていない様子だったが、VARによるチェックではノーファウルの判断が下された。
前後半を1-1で終えて突入した延長戦、再び蔚山が攻勢をかけるがGK前川の奮闘もあり神戸は逆転を許さない。103分には左サイドからのクロスにヨハンセンが頭から飛び込んでゴールを強襲するが、GK前川がスーパーセーブで弾き出す。延長後半開始直後にはドウグラスがGKチョ・スヒョクとの一対一を迎えたところで古橋への横パスを選び、得点には結びつかない。
神戸にとって痛恨の瞬間が訪れたのは延長戦後半終了間際だった。ボックス内に蹴り込まれた浮き球のパスを処理しようとしたGK前川がボールをつかみきれず、J・ネグランと交錯してPKの笛。J・ネグランが自らキッカーを務めると、再三のビッグセーブを見せてきたGK前川の反応も及ばず蔚山が逆転弾を決め切った。
そして、神戸が再び得点を奪うことはできないまま試合は終了。死闘を制して東地区の王者となった蔚山は、大会を制した2012年以来8年ぶりの決勝進出。19日に行われる決勝戦で西地区王者のペルセポリス(イラン)と対戦する。
一方、大会初参加ながら奮闘を続けた神戸のアジアでの戦いはベスト4で終了。ACL決勝にJリーグ勢が名を連ねないのは、2016年以来4年ぶりとなった。
■試合結果
蔚山現代FC 2-1 ヴィッセル神戸
■得点者
蔚山:ビヨルン・ヨハンセン(81分)、ジュニオール・ネグラン(119分)
神戸:山口蛍(52分)
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