スペイン代表のレジェンドFWダヴィド・ビジャ氏がカタールの adidasブランドメディアセンターにて『GOAL』のインタビューに応じ、スペイン戦が間近に迫る日本代表について語ってくれた。
■日本の印象は「走り続けられる」
(C)Getty imagesビジャ氏はバレンシアやバルセロナなどで活躍し、スペイン代表としては2008年EURO、2010年ワールドカップ(W杯)で得点王に輝き、主要国際大会連覇の立役者となった。同代表で通算98試合59得点を記録し、歴代最多得点者に君臨する唯一無二のレジェンドだ。
また、ビジャ氏は2019年にヴィッセル神戸をキャリア最後の地としており、日本サッカーもよく知る。カタールW杯においても、ドイツ代表を撃破した日本代表のグループE初戦を「見ました」と明かし、日本人選手の印象を口にした。
「良い資質がありますし、その資質を見せるプレーができます。ボールを扱う足さばきも良いですし、長時間走り続けられるフィジカルがあります。それが一番ですかね」
今季レアル・ソシエダで好調のプレーを披露してきた久保建英については、特に良い印象を抱いているようだ。
「(久保建英は)素晴らしい選手です。とても良い選手だし、スペインで活躍しています。まだ若いし、将来性があると思います」
また、ドイツ戦での日本に驚いたプレーが「たくさんありました」と口にするビジャ氏。一方、続く第2節でコスタリカ代表に0-1の敗戦を喫しているが、「日本が勝てる大きなチャンスを逃してしまった」構図に見えたと言う。
■「誰が誰に勝ってもおかしくない」
(C)Getty imagesいずれにしろ、日本が決勝トーナメント進出を果たすためには第3節でスペインに勝利することが求められる。今大会のスペインも支配的なスタイルで優勝候補としての力を見せつけているが、ビジャ氏はかつてのチームと今のチームは「違います」と語りながらも、母国がトロフィーを獲得することができると強調した。
「選手も違うし、時代も違います。昔と今を比較すること自体が間違っています。今の代表は良いチームで素晴らしい選手や監督がおり、王者になれるメンバーが揃っています」
そうしたクオリティを備えるスペインとの一戦に向け、ビジャ氏は日本が勝利するためのポイントを挙げてくれた。
「ボール回しを良くすることです。日本の選手たちは統率が行き届いています。日本が(ボールを)奪おうとするでしょうから、スペインは長時間ボールを支配するのが難しくなるでしょう。良い試合になると思います」
しかし、自身が日本の指揮官だったらどう戦うかという問いに対しては「難しいですね……」とこぼし、スペインの苦手とするシチュエーションを明かしている。
「守りながらゴールを奪おうとするかな。でも、日本はそういうやり方に慣れていないので、できるだけスペインからボールを奪おうとするでしょう。スペインはボールを持っていない時に苦労します。とはいえ、スペインからボールを奪うのは大変ですよ。簡単には奪えません。でも、日本はトライすると思います」
大方の見方同様、ビジャ氏の見解でも厳しい見通しとなるスペイン戦。しかし、数々のタイトルを獲得してきたレジェンドは、母国と激突する日本にエールを送ってくれている。
「誰が誰に勝ってもおかしくないのがサッカーです。日本もドイツに勝つのは難しいと思っていたはずですが、勝ちました。試合が始まってしまえば、どうなるかは分かりません」
