日本代表を率いる森保一監督が、試合後の会見でドイツ代表戦を振り返っている。
日本は23日、カタール・ワールドカップ(W杯)グループE第1節でドイツと対戦。圧倒的格上との一戦では序盤から劣勢を強いられ、決死の守備を見せていたものの33分にPKから失点を喫する。
その後もドイツに主導権を握られたまま時計の針が進むが、日本はハーフタイムに復帰戦となる冨安健洋の投入に踏み切り、布陣を4-2-3-1から5-4-1に変更。その後は三笘薫、浅野拓磨、堂安律、南野拓実と続々と攻撃のカードを切り、逆転を目指す姿勢を強く打ち出した。
すると、日本は徐々に高い位置まで侵攻する回数を増やし、75分には三笘、南野が絡み、堂安が同点弾をマーク。その8分後、最後方からのフィードに反応した浅野が絶妙なトラップでボックス右に抜け出し、GKマヌエル・ノイアーのニア上を抜くシュートを決め切った。これにより、日本は2-1の逆転勝利で大金星を挙げている。
試合後、森保監督はまず「入りはアグレッシブ」に行くことを決めており、「そこから主導権を握るか、相手に押されるのかを判断」した明かす。とはいえ、ドイツの実力を踏まえて「守備の部分で辛抱強く戦いながら切り替えて攻撃をする。良い守備がコンセプトで今日の試合も準備」していたとのことだ。
後半のシステム変更については「相手にボールを握られて、幅を揺さぶられていた」部分の改善だったと説明。構造としてそのケアをしたうえで、攻撃的な選手を増やすことで得点を目指し続けたようだ。
「良い守備をしなければならないということは保ちながら、攻撃の選手を投入しました。ゴールを決めるためです。良い守備から良い攻撃をすることを忘れずに、選手たちは受け身になるだけでなく、よくトライしてくれました」
また、逆転に成功した後の終盤には、ドイツもより素早くゴールに迫ってきた。森保監督はパワープレーでやられる印象も強い日本の“悪癖”を克服するために、攻撃に出続ける必要があったと語る。
「我々が追いついてリードした中でも、ドイツに押し込まれながらも守備だけの守備でなく、攻撃に移るということで、選手たちはアディショナルタイムまで戦ってくれました。最後は相手がパワープレー気味にきました。これまでの日本サッカーの歴史では、押し込まれて落とすことが多かったですが、選手たちはドイツをはじめ欧州のサッカー強国の中で力をつけています。相手がハードに来たときにしっかり耐えられる力を身につけて、選手たちが集中力をもって技術やスピードを発揮してくれました」
緻密な采配により大金星を手繰り寄せた森保ジャパン。27日の第2節でコスタリカ代表戦に勝利すれば決勝トーナメント進出を決める可能性も出てくるが、史上初のベスト8以上という目標に向けて、最高効率で歩みを進めてくれそうだ。
