カタール・ワールドカップ(W杯)初戦のドイツ代表に向け、引き続き20日にもトレーニングを実施した日本代表。命運を左右する一戦へ、離脱していた選手らも状態を上向けている。【取材・文=林遼平】
■“ゲーゲンプレス”への対処を準備
昨日から始まった非公開トレーニングでは戦術練習を詰めているようだ。
日本代表は20日、ドーハでトレーニングを実施。公開された冒頭約15分の練習では、ランニングした後、アジリティやボール回しなどで汗を流した。そこからは対人や戦術練習に移行し、隣に設置されたメディアセンターに声が響き渡るほどの熱量を帯びたトレーニングを行っていた。
公開された時間内では、昨日に続いて守田英正だけが別メニューで調整。それ以外の選手は全体練習を行った。守田に関しては、トレーニングルームでの運動を経てグラウンドへ。ゆったりと歩行運動をした後、ジョギングまで行っている。
また、練習後の取材に応じた三笘薫は「(昨日と合わせて)今日も全部(のトレーニングには)入っていないです。途中から抜ける形」と主張。フルメニューを消化していないことを明かしつつ、「全然ドイツ戦には間に合います」と初戦に照準を合わせてトレーニングを行っているようだ。
チームとしても戦術面のトレーニングは進んでいる模様。それは鎌田大地の言葉を聞いても明らかだ。
「ドイツにはゲーゲンプレスという言葉があるように、ボールを奪われてから速いプレッシャーをかけてくるチーム。そこに対して僕たちにできることは、いま戦術面もやっていますけど、ボールを奪ったあとに常にどこが空いているのかというのはチームとして共有している。極端に言えば、ボールを奪ったあとに見ないで蹴ってもそこに味方がいないといけないぐらいの感覚でやっている。あとはそのパスがしっかり前に入れば、いいカウンターができるだろうし、そこでミスが続けば常に相手の時間帯になる。そこを共有しながらやっている」
初戦までにトレーニングができるのは残すところ2日のみ。最後の最後までドイツ対策を突き詰めていくことで、初戦での勝ち点奪取を狙っていく。
