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タシュケントの煮え湯を薬に。最悪の試合後、U-21サッカー日本代表が3位決定戦で見せるべきリバウンドメンタリティ

 U-21日本代表は現地時間15日、AFC U-23アジアカップの準決勝で開催国U-21ウズベキスタン代表に0-2で敗戦。18日にはU-23オーストラリア代表との3位決定戦に臨むが、チーム結成後初の黒星を経て、どのようなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。

■コンディショニングも課題

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 チーム結成以来最悪のゲームだったのは間違いない。単に0−2で敗れたというだけでない重苦しい試合だった。

 ボール支配率では59.3%と日本が大きく上回っているものの、シュート数は日本の6本に対してウズベキスタンは20本。枠内シュートも2本と6本と大きな差があるように、内容面で見劣りしたのは間違いない。0-0で推移する中で60分にショートカウンターから失点し、同点を狙う中で89分に追加点を奪われての敗戦。完敗だった。

 もちろん、ウズベキスタンが素晴らしいチームだったというのは前提として押さえておくべきだろう。地元開催の試合ながらサポーターが前の試合の狼藉行為で締め出されたスタジアムで戦うという心理的に難しい状況も克服し、旺盛な闘争心を発揮しつつ、確かなチームワークと基本技術の高さを随所に見せてきた。きっとパリ五輪予選でも彼らは難敵として立ちふさがってくる。そう確信させるものを持っていた。

 ただ、日本のパフォーマンスが本来のレベルになかったのも確かだ。

 陽が落ちてなお蒸し暑い環境の中で明らかに選手たちの足は重かった。酷暑のタシュケントで続いた中2日の連戦が体力的な余裕を奪ってしまっていたのは明らかだった。元よりJリーグ組は過密日程をこなしてから、中4日から5日で大会の開幕を迎えていて、欧州組は逆にオフ明けという難しさは抱えていた。溜まってきた疲労感が、韓国との準々決勝を大勝した達成感と共に襲ってきたようだった。

 選手たちからも「体が重かった」「動けていなかった」といった言葉が漏れ、大岩剛監督も「コンディションも含めて準備はしてきたが……」と肩を落とした。コロナ禍に見舞われて選手4名が一挙に離脱して層が薄くなってしまったことに加え、「精神的な負担も選手にはあったと思う」と大岩監督は言う。

 調整を難しくしたもう一つの要因は試合時間だろう。これまで現地時間18時キックオフの試合をこなしてきた上で、ここで21時からの試合に。日本の選手は総じて遅い時間の試合に慣れていないこともあり、食事や睡眠を含めた練習から試合へのリズムが崩れてしまった部分もありそうだ。東京五輪でも課題の一つだったが、連戦となる中での(あるいはコロナ対応をする中での)メンタル面を含めたコンディショニングは、あらためて一つの課題として持ち帰る必要がある。

■敗戦は成長への一歩目

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 ただし、「疲れていたから負けました」というのでは、プロフェッショナルとは言えまい。日本代表選手として試合に立っているのだから、勝つための妥協も必要だった。MF鈴木唯人は「もちろん、“そういう難しい試合”があるのもわかっていた」とした上で、こうも語る。

「間違いなくみんな思うように動けてなかったと思いますけど、動けないなりのプレーであったり、みんなでよりコミュニケーション取りながら統一された戦いをしなければいけなかった。自分も動けないなりの選択肢がもっとあったと今は思うし、チームを助けるプレーというのがもっとできたはず」

 チームとしても動きの量やスピードが足りずに狙いとするプレッシングサッカーがハマらないのであれば引いて構えて省エネを図る時間帯を作ってもいいし、ショートパスを動かそうにも顔を出す選手が少ないのであれば、裏に蹴って相手をひっくり返すプレーを増やしても良かったかもしれない。

 疲れていれば思考力まで落ちて、気持ちもネガティブになってしまうし、視野も狭くなるもの。難しいところだが、芝の状態まで連戦の中で最悪の状態だった点まで踏まえれば、“勝つことを考えるならば”、どこかで割り切ることも必要だったように思う。

 もちろん、ここでの敗戦は学びや成長への一歩目ともできるはずだ。「本当にまだまだ経験が浅いんだなというのを今日の試合で思い知らされました」と鈴木唯が言い、藤田譲瑠チマが「後悔はあります」と振り返ったように、それぞれの心に傷を残す敗戦となったが、その傷に向き合うことがチームや個人の財産になっていくものだ。

 そして、「これが自分たちの今の実力なんだとしっかり受け止めて、次に向かうしかない」と鈴木唯が言うように、最後に待っている3位決定戦へ向けて、もう一度心理面から立て直していく必要もある。

「次の3位決定戦は(パリ五輪予選を兼ねる次回大会の抽選の)ポットが決まる上でも大事な試合なので、もう1度チームとして戦っていかないといけないなと思います」(GK鈴木彩艶)

 チーム結成以来初めてとなる代表戦での黒星は、何とも後味の悪い、苦いものとなった。そして、このタシュケントで飲まされた煮え湯を薬とできるかどうか。それこそ、本当にチームとしての、あるいは個々人の心構えが問われる部分である。

取材・文=川端暁彦

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