日本サッカー協会(JFA)は9月5日、国際サッカー評議会(IFAB)からオフサイドの判定に関わるガイドラインの明確化について7月27日付回状第26号で通達されたことを伝えた。
オフサイドのルールにおいては、笛を吹く基準としてオフサイドポジションの守備側競技者が「意図的なプレー」であったか否かという点について、注目を集める状況が世界的に見受けられたとのこと。IFABは国際サッカー連盟(FIFA)と協議の上、「意図的なプレー」と「ディフレクション」の違いについて明確化するに至った。
オフサイドは、攻撃側の競技者がプレーしたか触れた瞬間、オフサイドポジションにいた味方が利益を得るまたは相手競技者を妨害した場合に反則と見なされるルール。また、「ボールが、ゴールポスト、クロスバー、審判員もしくは相手競技者からはね返った、またはそれらに当たって方向が変わってきた」場合もオフサイドポジションをとっていた利益を得たとして笛が吹かれる。
一方で「オフサイドポジションにいる競技者は、相手競技者が意図的にプレーしたボールを受けたとき、意図的なハンドの反則を犯した場合も含め、利益を得ているとはみなされない。ただし、意図的なセーブからのボールを除く」とも記載。これにより、意図的でなく身体に当たったボールの軌道が変わることを指す「ディフレクション」と「意図的なプレー」の判断は主審の裁量に頼る部分が大きかった。
IFABはそれらを定めるガイドライン第11条を改正することはないが、「意図的なプレー」と「ディフレクション」の違いを明確化。以下のように整理されている。
■「意図的なプレー」と「ディフレクション」の違い
≪「意図的なプレー」とは、競技者がボールをコントロール下において、次のプレーができることである
- ボールを味方競技者にパスする
- ボールを保持する
- ボールをクリアする
これは、競技者がコントロール下にあるボールをパスする、保持しようと試みる、または、クリアすることがうまくいかなかったり、失敗したりした場合であっても、ボールを「意図的にプレーした」という事実を無効にするものではない≫
つまり、プレーの失敗そのものは意図的ではないが、プレーする意思が意図的なものである時点で「意図的なプレー」と見なされるということが明確に。続けて、「意図的である」ということの基準として、ボールが視認できて状況が把握できるケースだったかどうかに概ね集約されることが説明されている。
≪競技者がボールをコントロール下に置いていたことで、結果的に「意図的にプレーした」ことを示す指標として次の基準が適切に使われるべきである。
- ボールが長く移動したので、競技者はボールをはっきりと見えた
- ボールが速く動いていなかった
- ボールが動いた方向が予想外ではなかった
- 競技者が体の動きを整える時間があった、つまり、反射的に体を伸ばしたりジャンプせざるを得なかったということでもなく、または、かろうじてボールに触れたりコントロールできたということではなかった
- グランド上を動いているボールは、空中にあるボールに比べてプレーすることが容易である≫
なお、この明確化は判断基準を示すものであり、適用日が示される改正とは異なり、即時有効に。競技およびプレーの結果に影響を及ぼす内容であり、競技に関わる人々が理解した上で運用されることが求められている。
