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サッカー日本代表、W杯出場国との連戦で明暗の選手たち…躍動の鎌田、久保らに長友の“すっぽんディフェンス”/コラム

17:00 JST 2022/09/28
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【サッカー日本代表 コラム】カタール・ワールドカップ(W杯)に向けた強化として、日本代表は9月27日にエクアドル代表とのキリンチャレンジカップ2022を戦い、9月の活動を終えた。

 日本代表は9月のインターナショナルウィークでドイツ遠征を実施。現地でのキリンチャレンジカップ2022では23日のアメリカ代表戦に2-0で勝利し、27日にはエクアドル代表と0-0で引き分けた。カタールワールドカップ(W杯)に向けた強化として、今回の活動ではどのような成果が得られたのだろうか。【取材・文=林遼平】

■強豪を意識した現実的な戦い

 実に興味深い2試合だった。

 6月遠征、そしてE-1選手権を終え、迎えた今回のドイツ遠征。カタールW杯前、最後の合宿とあってどのような活動になるかが注目されていた。これまでの形をブラッシュアップするのか、それとも大きな変化を促すのか。蓋を開けるまでは何が起きても不思議ではなかった。

 結論としては、W杯を想定した上でさまざまなチャレンジを決行した。アジアの戦いから世界との戦いに変化する中で、システムを従来の4-3-3から4-2-3-1の形に変更。ブロックを作ったところからの連動したプレッシングと素早いショートカウンターで攻める形を作り上げ、これまで以上に守備に重きを置くより現実的な戦いを選択するようになった。W杯で対戦する相手がドイツやスペインといった強豪国だと考えても、これは十分に理解できる変化だと言っていいだろう。

 選手たちも短い期間でこのトライにアジャストしていった。アメリカ戦で見れば、クラブで好調を維持する久保建英や鎌田大地が存在感を発揮。久しく左サイドでの出場がなかった久保は献身的な守備と技術力を生かした攻撃で違いを作れば、トップ下に入った鎌田は巧みなボールの受け方と前線からの守備で攻撃陣をけん引するパフォーマンスを披露した。

 この二人に続くように、最前線では前田大然が爆発的なスピードを駆使した強烈なプレッシングで評価を高め、3月以来の出場となった守田英正は中盤でゲームをオーガナイズする役として非凡なプレーを見せるなど、自身の力を証明する結果を残した者も多い。

■エクアドル戦の選手に明暗

 ただ、先発メンバー総入れ替えを行ったエクアドル戦は、普段からやり慣れたメンバーでないことも作用し、なかなかチームとしての完成形を見せることができなかった。中盤ではダブルボランチの柴崎岳と田中碧がゲームを作ることができず、期待された南野拓実のトップ下起用も不発。特に最前線で起用された古橋亨梧は、前線からのプレッシングひとつとっても空回りしてしまい、スタメン奪取へのアピールとはならなかった。

 もちろん難しい試合の中で素晴らしいパフォーマンスを見せた選手もいる。権田修一の負傷もあって出番が回ってきたシュミット・ダニエルは、PKストップを含めて好セーブを連発。ポジション争いに強烈なインパクトを与えたことは間違いない。

 また、左SBで起用された長友佑都は、対面のドリブル突破に対して粘り強い守備で対抗。クロスを上げさせない“すっぽんディフェンス”は、W杯の舞台でも必要になるプレーであることを示した。

 このように新たな戦い方を選択した上で、今回2パターンの組み合わせを試したことにより、ある程度、どこでどういった選手を起用していくかの算段がついたはずだ。基本的には守備に重きを置いた選手選考となり、良い守備から良い攻撃というコンセプトに柔軟に対応できない選手ほどプレー機会が失われていくことになる。

■ベースは「良い守備から良い攻撃に」

 今回、唯一残念だったのはビハインドの状況でどう攻めていくかを見られなかったこと。そこをどう詰めていくかで、また本大会で日本代表が取る戦いの幅は変わってくるはずだ。森保一監督は最後に今回の合宿の手応えをこう口にしている。

「W杯に出場する力のあるチームと対戦して、2試合で無失点で抑えられたこと、勝ち点で言えば1勝1分で勝ち点4を取れて、グループ第3戦に向かうという部分ではシミュレーションになるような結果だったと思います。良い守備から良い攻撃にというところの、どこから守備を始めるのか、どこでボールを奪うのか、奪った後はどうするのかというところは、厳しいゲームの中で絵を合わせていく部分なので、W杯に向けての準備としては、この2試合は本大会につながる積み上げができたのかなと思っています」

 この2試合で得られた成果をピッチでより詳細に表現していければ、グループ突破も夢ではない。ここから本大会に向けてさらに一人ひとりが成長を遂げることで、より強固なチームを作っていく。