日本代表は28日、キリンチャレンジカップ2023でコロンビア代表と対戦。試合の予想先発や見どころを整理する。
■険しい道を歩む覚悟
(C)Getty imagesカタール・ワールドカップ(W杯)後の初陣となった24日のウルグアイ代表戦を1-1で引き分けた日本。前半中にフェデリコ・バルベルデにタレント力を見せつけられる形で失点を喫したが、途中出場した伊東純也のクロスに西村拓真が合わせて75分に同点弾を決め切った。
試合の中で日本は中盤以上のメンバーをカタールW杯組で固めた一方、ディフェンスラインは右から菅原由勢、板倉滉、瀬古歩夢、伊藤洋輝の並びに。菅原と瀬古はカタールW杯外からの抜擢となったうえ、サイドバックが内側に入ったり、ボランチがDFラインに落ちたりするオプションを試した。
これは今回の活動の開始前から森保一監督が語っていた通り、ボールを保持して崩すためのトライだ。結果から言えば中盤以上に良い形でボールを繋げた回数は少なく、チャンスと言えばカウンターからの仕掛けがほとんどだった。
代表戦は常に勝利が求められる場であり、ウルグアイ戦を単体で評価するならば選手たちのポテンシャルを考えても及第点とは言い難い。とはいえ、森保監督が最終的に見据えるものは、日本サッカー協会(JFA)が大目標に掲げる「2050年のW杯優勝」であり、そのための通過点として2026年大会でチャレンジできるチームを作ろうとしている。
もちろんコロンビア戦でもその試みは継続される。前日会見にて、森保監督はこう理解を求めた。
「(サイドバックが縦に上がって)幅を使った攻撃、サイドバックが内側に行くということの両方を将来的に使い分けられるように、今はトライしているということで考えていただければと思います。難しいことをやってもらっていると思いますし、チャレンジポイントとしては選手に伝えているので、難しいことだとは思いますが、一つの選択肢として将来的に色んな事ができるようにということでトライしています」
そして、こういった主導権を握るためのアプローチの構築は、どのチームにも一朝一夕で成し遂げられるものではない。「できなくなって、難しいというだけで、上手くいかなかったというだけで、(チャレンジが)終わることではないかなと思います」という森保監督の言葉は、険しい道を歩むことへの覚悟から漏れた言葉だろう。
コロンビア戦では、W杯から続く「良い守備から良い攻撃」のベースを持ちながら、遅攻の際にどれだけシュートまで繋ぐことができるか、また良い距離感を保ちながらどれだけセカンドボールの回収率を高められるかに着目していきたい。
■攻撃的SBも選択肢か
(C)GOALコロンビア戦の起用法に関して、森保監督は「(先発は)基本的にはウルグアイ戦の選手で、何人か代えていく」との構想を口にした。また、守護神に関してもGKシュミット・ダニエルを継続する意向を示した一方、中盤ではウルグアイ戦でメンバー入りしなかった久保建英のコンディションにまだ懸念が残ることも明かしている。
スタメンをある程度固定するのは、少ない準備時間での新チームへの戦術の浸透とウルグアイ戦からの修正を同時に行うことを意識してのものだろう。ドラスティックな変更は必要なく、練度を高めることが今回の活動の主目的となる。
その中で変更を期待したいのは、やはりディフェンスラインだ。長友佑都、吉田麻也、酒井宏樹といった頼れるベテラン陣からの世代交代を進める中で、戦術面においてもカタールまでとは動きに大きな違いが出るポジションであり、代表経験の浅い選手たちが招集されている。そこで多くの組み合わせを試すことで、機能するにせよしないにせよ、今後に向けた判断材料が得られるだろう。
ウルグアイ戦で先発した伊藤は左サイドで縦関係となった三笘薫へのボール供給について「相手が(三笘)薫くんのドリブルを警戒してくる中で、もっと良い状況で彼にボールを渡せるかというところは、個人的にもそうだし、チームとしてもどう持っていくかは課題」だと自戒した。
とはいえ、伊藤も口にした通り、プレミアリーグでも脚光を浴びる三笘を警戒しない相手は存在せず、サイドバックから少ない手数でパスを通すことは簡単ではない。そういった観点では、より攻撃面に特色を持つ左サイドバックのバングーナガンデ佳史扶であれば、相手選手のマークを引き付ける役割にも期待できる。経験の浅さや守備面、スペースを食い合ってしまうことへの懸念もあるが、今後も構想に含めるのであれば三笘とのかみ合わせはこのタイミングで確認しておきたいところか。
それ以外にも、右サイドバックであれば23歳ながら経験豊富な橋岡大樹は計算できる選手であり、半田陸はクラブで日常的に内側に入るプレーを披露している。ウルグアイ戦で先発した菅原由勢は攻守に印象的なパフォーマンスを見せた一方で、縦関係にあった堂安律に前向きでボールを持たせられる回数が少なく「まだまだ改善できる」と反省。起用された場合には、そこからの修正力が見どころか。
これまでの戦力に新たな顔ぶれを加え、カタール大会の課題解決に取り組んでいる森保ジャパン。チャレンジングな姿勢の継続とブラッシュアップ能力が問われるコロンビアとの一戦は、28日の19:20にヨドコウ桜スタジアムでキックオフ予定だ。
文=上村迪助(GOAL編集部)
