今年の2月に開幕したJリーグYBCルヴァンカップもついに準決勝を迎える。激闘を勝ち抜いてきた4チームのうち、どこが決勝への切符を手にするのか。30周年記念大会のファイナリストを目指す戦いが幕を開ける。【文=林遼平】
■セレッソ大阪 vs 浦和レッズ
グループステージから勝ち進んできたC大阪のハイライトは、間違いなく準々決勝の川崎フロンターレ戦だろう。ホーム初戦を1-1で折り返すと、敵地での第2戦で2点のビハインドを追う展開に。それでも諦めなかったチームは、90分、90+6分のゴールで同点に追いつくことに成功し、アウェイゴールの差で勝ち上がりを決めた。リーグ戦でも粘り強い戦いを続けて4位をキープ。今季は勝負強さを感じる戦いを続けている。
一方、準々決勝からの出場となった浦和は、名古屋グランパスを相手に2戦合計4-1で勝利。初戦でアウェイゴールを持ち帰ると、ホームでは3得点を奪って快勝し、準決勝へと駒を進めた。その後、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)でも調子の良さを続けて決勝進出を決めるなど、チームの成熟度が増していることをピッチで証明している。
この両チームが相対する準決勝は、リーグ戦と同様の展開になるはずだ。浦和がボールを動かしながら、C大阪がプレッシングをかけて奪いにいく。そのプレッシングをかわせれば浦和が優位性を保ち、そこで奪えればC大阪の素早いカウンターが火を吹くことになる。互いにチャンスは作れるだろうが、あとは好機を結果に結実できるか。C大阪ならば加藤陸次樹、浦和ならば松尾佑介の両アタッカーのパフォーマンスが鍵を握る。
今季の2試合はC大阪の守備が機能して2-0と1-0の勝利を飾った。これまでと同様の形になるのか、それとも別の結果が待っているのか。注目の一戦となる。
■アビスパ福岡 vs サンフレッチェ広島
この一戦を前にした両者の状況は大きく異なる。
準々決勝のヴィッセル神戸戦を新型コロナの陽性者が複数人出る中で勝ち抜き、クラブ史上初となるベスト4進出を果たした福岡だが、現在リーグ戦では残留争いの真っ最中。前節の清水エスパルス戦に勝利して降格圏こそ抜けたものの、それまで8試合連続未勝利だったことを考えると、決して楽観視できるような状況ではない。
一方、準々決勝でリーグの首位を走る横浜F・マリノスとの激闘を制し、準決勝へと駒を進めた広島は、リーグ戦でもACL出場圏内となる3位を維持。優勝は厳しい状況になってしまったが、カップ戦とリーグ戦をしっかり並行して戦えるだけの力をしっかりと示してきた。
そんな両者がぶつかる準決勝は、勝利を求めた熱い試合が繰り広げられるに違いない。現状の立ち位置こそ違うが、ルヴァン杯の優勝を手にしたことがないのは両者同じ。タイトルが目の前に近づいてきたなか、この勝利がリーグ戦の勢いになると考え、最大限のパワーを使ってくるはずだ。
試合の鍵を握るのは両ゴール前だ。今季の両者の試合を見てもボールを保持する時間が長いのは広島で、福岡は守備に追われる時間が長くなっている。福岡が守備で耐えながら一瞬の隙を突けるか、広島が破壊力ある攻撃で相手の守備を崩壊させるか。福岡が守備で耐えながら一瞬の隙を突けるか、広島が破壊力ある攻撃で相手の守備を崩壊させるか。異なるスタイルで戦ってきた両チームの底力が問われる。
■試合日程
9月21日(水)/第1戦
- 19:00 セレッソ大阪 vs 浦和レッズ(ヨドコウ桜スタジアム)
- 19:00 アビスパ福岡 vs サンフレッチェ広島(ベスト電器スタジアム)
9月25日(日)/第2戦
- 17:00 浦和レッズ vs セレッソ大阪(埼玉スタジアム2002)
- 17:00 サンフレッチェ広島 vs アビスパ福岡(エディオンスタジアム広島)
