『DAZN（ダゾーン）』の「ジャッジリプレイ」では、明治安田生命J1リーグ第15節のサンフレッチェ広島vs湘南ベルマーレで起きた事象について規律委員会とは違った見解が示されている。
5月27日に行われた広島vs湘南では13分、ルーズボールを競り合う中でナッシム・ベン・カリファに対してスライディングをした舘幸希にレッドカードが提示。舘は接触部分の右足を折り畳んでいたが、VARの介入はないまま判定は覆らなかった。
「ジャッジリプレイ」に出演した元国際審判員の家本政明氏は、この場面について「勢いだけでこれがレッドは明らかにないので、僕の中では明白な間違い」と主張。イエローカードが妥当だったとした一方、主審がレッドの判断に至ったのも無理はない場面だったと説明している。
「もしかすると左足のスパイクは当たってはいないけど、相手の方向に向かっている事実はあるわけじゃないですか。接触は折り畳んだ右のすねですが。主審がちょっとゲームの展開から距離の遠い20メートル強くらいのポジションで、悪いとは思わないですけどコンタクトの場所（の確認）がいまいち難しい、左のスパイクが当たったように見えている可能性はあります」
とはいえ「勢いだけでこれがレッドカードになったらJリーグの過去のシーンで何十、何百もレッドカードになるのがある」と訴え、VARの加入が必要だったのではないかと疑問を呈した。
「主審とVARのコミュニケーションの仕方にも関わってくるので、どういうやり取りがされたのか分かりませんが、VARが主審への導き方というか質問の仕方でちょっと一回確認されたらどうですか、という方向に持っていけなかったかなと思います」
一方でJリーグは5月29日、舘の処分が規律委員会によって1試合の出場停止に決定したことを発表。処分理由については「同選手の相手競技者の右足首からすねに対し、右足のすねから甲辺りで過剰な力でタックルした行為は、『著しい反則行為』に該当する」とし、結局は接触部分ではなく勢いを問題視したことが明らかになっている。