20211129_NadeshikovsNetherland_teamphoto(C)JFA/PR

新生なでしこジャパン、オランダとスコアレスドロー…選手と指揮官が口をそろえた課題とは

なでしこジャパン(日本女子代表)は現地29日、オランダ女子代表との国際親善試合を戦った。

2021年10月に池田太新監督が就任し、新たなスタートを切ったなでしこジャパンはオランダ遠征を実施した。11月25日にアイスランド女子代表と対戦して0-2の敗戦。同29日にはオランダと対戦している。

日本はアイスランド戦からスタメンを7人変更。熊谷紗希(キャプテン)、田中桃子、菅澤優衣香、宮川麻都。そして、アイスランド戦で途中出場だった田中美南、宮澤ひなた、林穂之香がスタメンとなった。

対するオランダは27日にワールドカップ(W杯)予選を戦っており、エースのFWフィフィアネ・ミーデマ(アーセナル)は、メンバー外。また、スペインの女子リーグ、そして女子チャンピオンズリーグ(CL)で圧倒的な強さを見せるバルセロナのウィンガー、リーケ・マルテンスは負傷離脱していた。

なでしこジャパンは序盤からチームのコンセプト”奪うサッカー”が機能し、中盤でのボール奪取から攻撃へ転じる場面が多くみられたが、35分に田中美南が相手と接触して膝を負傷。岩渕真奈と交代となった。その直後には長野風花のFKからボックス内の南萌華がダイレクトシュートを放つがゴールの上を越えていった。

前半終盤には岩渕真奈、長谷川唯のイングランドで活躍する2人のコンビネーションがゴールへの可能性を感じさせるものの、シュートまでの決定機を作れず後半へ。

後半立ち上がりも日本が勢いを見せた。58分、清水梨沙とのコンビネーションで抜けた長谷川唯のセンタリングに反応した宮澤ひなたがシュートを浴びせるが相手DFに当たり阻まれてしまう。

オランダは交代カードを2枚使用すると、サイドへ展開するワイドな攻撃で徐々に日本のゴールへと迫る。日本もスタミナが重要視される時間帯に、宮川麻都を代表デビューとなる乗松瑠華と交代。そして、中盤で積極的にルーズボールを狙い試合を組み立ていた長野風花と隅田凜を交代し先制点を狙う。

73分には菅澤が隅田に落としたボールを細かく繋ぎ、岩渕が相手DFの間へ出したスルーパスに再び反応した菅澤が抜け出しシュートするも相手DFにブロックされてしまう。

残り10分の場面で小林里歌子を投入し最後の決定機を狙ったが、逆に相手に数的不利なチャンスなどを与えてしまう場面もあり守備の時間が増えて最後までゴールを奪えず、スコアレスドロー。攻撃に課題を残す結果となった。

試合後、池田監督は攻撃について「侵入するトライはあったが、コンビネーション、回数、タイミングを作る部分はこれからもっと高めていきたい」と話した。同じく、この遠征2試合スタメンで出場した長谷川唯も「フリーだった時にコンビネーションを作れなかった」と攻撃のバリエーション不足への懸念を口にしている。

欧州のチーム、また女子CLで戦う岩渕は、今のチームの課題をこう話した。

「ゴール前はもっと個々でやらなくてはいけないというのが、見ていても、やっていても感じた。もっと自分が積極的に伝えてきたい。まだこのチームが世界一を目指す言うのには早すぎる」

また、この試合にキャプテンマークを巻いて挑んだ熊谷は「代表なので、普段から(一緒のチームで)やっていない中、(集まった時に)一人一人が主張し、コミュニケーションを大事にして、もっと要求しあえるような関係になりたい」とまた違った角度からチーム課題を挙げた。

なでしこジャパンは、今年12月にも国内中心での合宿を予定。続いて2022年1月21日には女子アジアカップ初戦のミャンマー戦(インド)が控えており、池田監督の下での初勝利を目指す。

同大会は2023年に開催される女子W杯予選となっており、開催国のオーストラリアを除いた上位5チームがW杯出場権を獲得することとなり、さらに2チームがプレーオフへと進む。無論、目指すところは一つであるとは言え、「アジアのやりづらさもある」と長谷川唯も話す。再びアジアの頂点、そして世界へと、チームが加速する上で今回のオランダ遠征での収穫はチームにとって大きな意味を持つことになりそうだ。

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