感動の復帰
ハーヴェイ・エリオットは、試合終了後もなかなかピッチを去ろうとしなかった。そんな彼を、一体誰が責めることができるのだろうか。
この日は彼が待ち望んでいたものであり、この喝采は彼が切望していたものであり、ユルゲン・クロップとのハグは彼が何よりも待ち望んでいたものだった。
若人よ、楽しもう。君にはその資格がある。
このティーンエージャーの世界が崩壊してから147日目、彼はこのピッチで一番得意なことを、そして一番好きなことを楽しんでいる。試合に興奮をもたらす、アンフィールドに明かりを灯すという――。
2人の主役
リヴァプールは、カーディフとのFAカップ4回戦で3-1の勝利を収めた。5回戦ではノリッジが待っている。だが、この日の物語はこれに終わらない。
2月6日という日は、すべての忠誠心を持つファンにとって心温めるべき瞬間があった。クロップは「おとぎ話みたいな試合」と話したが、まさにその通りだ。
9月にリーズで負った悲劇的な脱臼骨折と恐怖、ジムやプールでの長期に渡るリハビリ、トレーニング……すべてがこの瞬間に洗い流された。交代で出場した19分後、エリオットはアンドリュー・ロバートソンのクロスをコントロールし、反転から見事な一撃をネットに突き刺した。コップの見る目の前で。
そんなエリオットを、熱狂的なコップが愛さないはずがないだろう。
試合終了の笛が鳴った後、この18歳はピッチに残って万雷の拍手を浴びていた。トンネルに向かうとクロップが待ち構えており、おなじみのハグで彼を称えた。指揮官もまた、若者にとってのこの試合の意味を理解していたのだ。
そしてこの試合の主役はエリオットだけではない。“5000万ポンド(約78億円)の男”、ルイス・ディアスのデビュー戦は心躍るものだった。
コロンビア代表FWはエリオットと同じタイミングで登場したが、チームに歓喜をもたらすまでに要した時間はたった11分。エリア内でボールを奪って素早い足さばきでパスを送り、南野拓実のゴールを演出するという、まさに“クロップらしい”活躍だった。
試合終了間際、空中戦の際に痛んでピッチに倒れ込む場面もあったが、治療の後で無事に試合を終えることができた。クロップは「打撲と切り傷くらいだ。イングランドへようこそ!」と笑う。この25歳は、アンフィールドでの試合を大いに楽しいんでいた。
追い風
Gettyエリオットとディアス、この2人が輝き、モハメド・サラーとサディオ・マネが激闘を終えてアフリカネイションズカップから戻ってくる。リヴァプールは急激に充実してきたようだ。アリソンとファビーニョを温存でき、チアゴ・アルカンタラも臀部の負傷から復帰した。
プレミアリーグでは首位マンチェスター・シティを追走、チャンピオンズリーグではセリエA首位インテルと激突し、さらにチェルシーとのリーグカップ決勝も控えている。リヴァプールの2月は、非常に重要な1カ月だ。
4つのタイトルを追い求める彼らは、できるだけ多くのスター選手を起用していく必要がある。
そして、このタイミングで新たに2選手が加わったことは朗報だ。実に、エキサイティングな瞬間である。
取材・文=ニール・ジョーンズ(『Goal』リヴァプール番記者)
