20220908--el-kubo-fixture(C)Getty Images/GOAL

覚醒の雰囲気漂う21歳・久保建英。EL初戦・マンチェスター・ユナイテッド相手に進化を見せられるか?

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 ついに開幕するUEFAヨーロッパリーグ(EL)。今季は多くの日本人選手もこの大会に参加する。ここでは新天地・レアル・ソシエダで躍動する久保建英に注目する。【文=林遼平】

■今シーズンの久保は一味違う

 昨季のラ・リーガを6位で終え、3季連続のUEFAヨーロッパリーグ(EL)出場を決めたレアル・ソシエダが、今季のEL開幕戦を迎える。相手はプレミアリーグの強豪であるマンチェスター・ユナイテッド。敵地での強敵との対戦が待つ中、今季からチームに加わった日本代表MF久保建英に出番はやってくるのか。注目の一戦の幕が上がる。

 2019年6月、FC東京からレアル・マドリードに移籍して以降、久保はここまで世界最高峰のリーグでなかなか大きな成果を残すことができなかった。期限付き移籍1年目となった19-20シーズンのマジョルカこそチームの主力として35試合4得点という成績を記録したが、レアル・マドリードへの復帰は叶わず。翌年は期限付き移籍でビジャレアルへと移ることになる。

 新天地となったビジャレアルでは、ELこそ初戦で1ゴール2アシストの結果を残すなどグループリーグで全試合出場を果たしたが、リーグ戦では開幕戦からベンチに座る日々が続き、ピッチに立っても結果は振るわず。そこからヘタフェ、マジョルカとクラブを渡り歩いたが、昨年は怪我などもあって28試合1得点に終わり、決して良いシーズンを過ごしたとは言えなかった。

 ただ、今シーズンの久保は一味違う。完全移籍で加入したレアル・ソシエダでは、熾烈なポジション争いのなかで開幕スタメンを奪取。これまで経験してこなかった2トップの一角に入ると、さっそく鋭い抜け出しから技術力の高さを物語るトラップとハーフボレーでゴールを陥れて見せた。さらにチームが堅固な守備を特徴とするサッカーを志向する中で、前線からプレッシングや素早い攻守の切り替えを披露。新たなチームで、新たなプレースタイルを磨きながら、自身の地位を確立し始めている。

■悩んだ末に見えてきたもの

20220821-kubo-Real Sociedad v FC Barcelona(C)Getty Images

 近年、クラブだけでなく、日本代表でも鮮烈なインパクトをあまり残せていなかった。10代の頃から大きな期待を背負ってきたからこそ、そのプレッシャーに苦しむ時期もあったはずだ。だが、6月に行われた代表活動中、自身の誕生日に改めて自問自答し、自分が何をしなければいけないかを考えた。

「21歳になった時に部屋でいろいろなことを考えて、その結果いろいろ吹っ切れた。そこから練習でも見違えるように、自分の中でプレーが軽くなったと思います。21歳になっていい方向に変わったかなと思います」

 そんな言葉を話した後、6月10日に行われたガーナ戦では、日本代表デビューから3年、A代表通算17試合目にして初ゴールを奪取した。「もうこのまま一生入らないのではないかと思う時もありました」とする中で、ついに新たな一歩を踏み出すことができたのだ。

 そこからレアル・ソシエダに移籍し、ここまでの活躍を見せていることを考えれば、久保の中で今までとは違った手応えがあるに違いない。週末のアトレティコ・マドリー戦は初めて先発から外れたが、途中出場でトップ下のポジションに入ると、後方からうまくボールを引き出しながらチームにリズムをもたらした。複数のポジションで、別の役割を担いながら違いを作り出す。それは確かな成長を遂げている証左である。

 チームメイトにはダビド・シルバら経験豊富な選手や新進気鋭の選手も多く、さまざまな刺激を受けられる環境に身を置いている。ここで経験を積むことで、次なるステージへと登っていきたい。

 迎えるELの初戦はマンチェスター・ユナイテッドと激突。ラ・リーガで相対するチームとは、また違ったスタイルを持つ相手と対戦することになる。チームとしては普段通り主体的にボールを動かしながら、どんどん決定機を作り出していきたいところだ。ELの舞台でもさらなる進化を見せられるか。覚醒の雰囲気漂う21歳から目が離せない。

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