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昨季、横浜F・マリノスの指揮官だったアンジェ・ポステゴグルー監督を招聘し、2年ぶりにスコティッシュ・プレミアシップを制したセルティックが、2017-2018シーズン以来となるチャンピオンズリーグ(CL)の舞台に帰ってくる。
クラブに所属する日本人選手のうち、残念ながら井手口陽介のCL登録メンバー入りは叶わなかったが、古橋亨梧、前田大然、旗手怜央の3人が初のCLへ。開幕戦から欧州王者レアル・マドリーが相手とあって楽しみな戦いが幕を開ける。【文=林遼平】
■エースの期待背負う古橋
(C)Getty images今大会に臨む3人の侍は、それぞれ紆余曲折のサッカーキャリアを歩みながら、ここまでたどり着いた。
全日本大学選抜の経験こそあるものの、アンダーカテゴリーを含め一度も代表に選ばれたことがなかった古橋は、明治安田生命J2リーグのFC岐阜(現在はJ3)でプロキャリアをスタート。毎日、トレーニングの後に一人でシュート練習を欠かさず行っていたストライカーは、徐々にその才能を開花させ、プロ2年目にはハーフシーズンで11得点を奪う圧倒的な活躍を見せる。
すると、すぐさまJ1のヴィッセル神戸にステップアップ。神戸ではアンドレス・イニエスタやダヴィド・ビジャという世界的な選手と共にプレーすることで、ゴール感覚だけでなくボールを受ける技術などを磨き、さらにプレーの幅を広げていった。その結果、約3年間でリーグ戦40ゴールを記録。この得点感覚が大きく評価されてセルティックに移籍し、今季はここまで7戦6発と驚異的なパフォーマンスを見せている。
先日の公式戦で負傷したため、練習復帰しているとはいえ第1節の出場こそ微妙だが、チームのエースストライカーとして大きな期待を背負っていることは間違いない。日本代表の中ではまだまだ絶対的な存在ではないが、このCLで結果を残すことで欧州にも日本にも大きなインパクトを与えてほしいところだ。
■飛躍した“今”から次の一歩へ
(C)Getty imagesそんな古橋を凌駕する爆発的なスピードの持ち主である前田も、キャリアとしては決して順風満帆な歩みをしてきたわけではない。高校時代には一度、サッカー部を除籍される事態になったこともあるが、そこから真摯に、そして意欲的にサッカーへと打ち込んだことで少しずつ頭角を表すことに。プロキャリアをスタートさせた松本山雅FCではなかなか結果を残すことができなかったが、水戸ホーリーホックやポルトガルのマリティモなどで経験を積み、2021年に横浜FMでブレイクした
東京五輪は出場機会も少なく不完全燃焼で終えたが、その悔しさをバネに変え、セルティックではハーフシーズンで6得点を奪う活躍を披露した。今季は熾烈なポジション争いの中でウインガーとして出場し、ここまで4アシストを記録。欧州で自身の異次元のスピードが通用することはわかっているだけに、初戦のレアル・マドリー戦から相手を翻弄することで“前田大然ここにあり”を大舞台でも見せつけたい。
得点やアシストといった数字の面で古橋や前田が評価を高める一方、ピッチ上でのトータルなパフォーマンスで株を上げているのが旗手だ。正確なボールコントロールと鋭いドリブルを静岡学園高校で学んだアタッカーは、順天堂大学から川崎フロンターレに加入。川崎Fではトップレベルの選手たちの中で揉まれ、さらに自身の力を飛躍させることで今の地位まで上り詰めてきた。
特にプロ2年目は本職ではないサイドバックでプレーしたことで、フレキシブルな活躍ができることをアピール。かねてから特徴としていた攻撃センスに守備面の強度を備え、異彩を放つ選手へと成長した。セルティックではインサイドハーフとしての立ち位置を築き、ゴールに向かうプレーがより一層洗練されている。また、90分走り回ることができるハードワークも魅力で、攻守のキーマンと言っても過言ではない。中距離からのパンチ力あるミドルシュートでレアル・マドリーのゴールを脅かすことができるか注目だ。
セルティックが最初に目指すのは、2011-2012シーズン以来となるグループリーグ突破となる。その一員として日本人選手たちはどんなパフォーマンスを見せるのか。11月に開催されるワールドカップ(W杯)のメンバーに入っていく上でも、この大舞台で3人がどれだけの力を発揮できるか楽しみにしたい。
