■吹き込まれた新たな風
新鮮だったのは、現体制になって初めて[3-4-2-1]が採用されたことだけではない。
71分 中島翔哉OUT南野拓実 IN
昨年9月の初陣以降、システムはほぼ[4-2-3-1]で固定されてきた。そのため、膠着しつつあった選手交代、ポジションの序列に変化が生まれた瞬間だった。
もちろん、先発した中島が南野よりも上だと言うつもりは毛頭ない。
だが、これまで2列目のポジション争いは、いわゆる“三銃士”を軸に考えられてきた。中島に対して原口元気、南野に対して香川真司、堂安律に対して伊東純也というように――。
それが、システム変更にともない、ポジション争いの様相が変わったのだ。
79分には長友佑都に代わり、原口が投入された。この交代も、これまでになかったものだ。
停滞感が生まれつつあった代表チームに新たな風が吹き込まれたのではないか――。
出場直後から全力でボールを追いかける南野を見て、そう感じずにはいられなかった。
■選手起用のバリエーションが見えてきた

6月5日に行なわれたトリニダード・トバゴ戦。6月半ばのコパ・アメリカへは実質的にU-22日本代表が参加するため、この試合と9日のエルサルバドル戦は、9月から始まるカタール・ワールドカップ予選前の最後のテストマッチとなる。
それゆえ、「ここで(3バックを)試して、選手が感覚的に覚えてくれれば、オプションとして使えると思っている」という指揮官の考えは、納得のいくものだった。
とはいえ、準備期間はわずか3日。ある選手によると「最低限の守備の仕方くらいしかトレーニングできていない」という。
だから、かつて森保監督が指揮を執ったサンフレッチェ広島のように、あるいは、16年1月から率いるU-22日本代表のように、[3-4-2-1]から[5-4-1]へ、[3-2-5]へとスムーズに移行できなかったのは、仕方がない。
それでも長友が「僕のポジションは、相手のサイドバックに僕のことを気にさせて、翔哉をフリーにさせることが大事。そのポジショニングは常に意識していた」と言うように、ウイングバックのポイントを抑えていたのは、さすがだった。
森保式[3-4-2-1]の攻撃時の特徴のひとつが、両ウイングバックを上げて5トップ気味にすること。こうして相手4バックの間に立って、ギャップを狙う。
その点で、中島と堂安の2シャドーが動きすぎてハーフスペースから離れ、1トップの大迫勇也との距離が開いたのは残念だったが、それも練習不足ゆえ。
逆に、シャドーには、狭いスペースでのプレーに優れる香川真司のほうがハマりそうだな、などと、エルサルバドル戦への期待が膨らむ。
一方、この日はウイングバックとして長友、酒井宏樹と、サイドバックを本職とする選手が先発した。だが、攻撃時にウイングのように振る舞うことを考えれば、ウインガータイプの起用も十分考えられる。
この日、途中出場した原口がこのタイプ。ドイツで守備力を磨き、所属するハノーファーでもウイングバックを務める原口は「自分にしっくりくるポジションだと思っている」と自信を覗かせる。
だとすれば、スピードスターの伊東純也が右ウイングバックで起用されてもいいわけだ。実際、U-22日本代表では所属する横浜F・マリノスでウイングを務める遠藤渓太がウイングバックとしてプレーしている。
相手のレベルを考慮しなければならないが、初の3バックにしてはまずまずの出来。テストを重ねれば、オプションとして機能するレベルにはなるだろう。
それよりも、選手の起用ポジションや序列が変わり、停滞しつつあったチームを活性化させ得るという点で、3バックの採用は効果的だった。
取材・文=飯尾篤史
【日本代表戦日程】
キリンチャレンジカップ:6月5日(水)日本 0-0 トリニダード・トバゴ
キリンチャレンジカップ:6月9日(日)19:30~ vsエルサルバドル
【コパ・アメリカ 日本代表戦の日程(日本時間)】※DAZN独占配信
グループC第1節:6月18日(火)8:00~ vsチリ
グループC第2節:6月21日(金)8:00~ vsウルグアイ
グループC第3節:6月25日(火)8:00~ vsエクアドル
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