バルセロナ(ラ・リーガ)などで活躍した元フランス代表DFサミュエル・ウムティティ氏がうつ状態だったときについて語った。
ウムティティ氏は2016年夏にリヨンからバルセロナに移籍すると、ルイス・エンリケ監督の下で活躍。ラ・リーガ連覇を含む数々のタイトルを獲得すると、フランス代表としても2018年FIFAワールドカップ優勝に貢献した。
ところが、その後は慢性的なひざのケガに悩まされ、2023年に契約を双方合意で解消。母国フランスのリールに加入したが、またしてもケガに苦しめられ、昨年9月に当時31歳にして引退していた。
当時はうつ状態になっていたと告白したウムティティ氏は「すべてが始まったときは、想像もできなかった。『まだ何年もキャリアが残っていて、幸せに、効率的に働ける』と自分に言い聞かせていたから、あれが終わりの始まりだったとは想像もしていなかった」と悲痛な胸の内を明かした。『DAZNフランス』が伝えた。
「みんなは僕がプレーしたくないと思って、家で何もせずに給料をもらっているだけだと思っていたけど、それは違う。プレッシャーは僕にとって何の役にも立たなかった。僕は人々が僕について何て言ってるかを知っていた。それが僕に影響を与えたんだ。だけどそれは事実じゃなかったし、僕は自分がどんな人間か分かっている。勤勉で野心家で、復帰するために家でできることは何でもしてきた。でも、何も見せなかったから誰もそれを知らない。専属の理学療法士も雇って、自宅で使えるマシンも買った。僕の家は事実上診療所みたいだった。世界最高の機器が揃っていたからね」
うつの原因は度重なる負傷だけではなく、周囲の心ない声も原因だったと説明した。「もしかしたら、もっと話して、自分が苦しんでいたことをみんなにも理解してもらっていた方がよかったのかもしれない。それだけでなく、ケガをしたこと、何が原因か分からなかったこと、復帰を目指してまた転んだこと、解決策が見つからなかったこと…。それが後悔していることの一つだ」と、悩みを打ち明けても良かったのではないかと感じているようだ。
「いま振り返ると、あれはうつ病だったのだと思う。完全に誤解されていた。僕たちにはサポートが必要だった。あのころ、みんなは僕の気持ちをまったく気にかけなかったと思う。僕は話すための、自分の気持ちを言うためのサポートが必要だったけど、何もなかった。むしろ、扉を閉ざされたように扱われた」
つらい経験をしたウムティティ氏だが、この経験から立ち直れたことを前向きに捉えている。現在は、何か悩みがあれば周囲の人々に相談したり、自分の弱さを認めることができるようになったという。「僕は完全に別の人間になった」と逆境が成長させてくれたと胸を張った。
