先発出場した千葉のMF姫野誠は、下部組織出身者としてのプライドをかけて戦った。
「これまではジェフがJ2で、レイソルがJ1だったので、ジェフが勝ってもレイソルより強いとはなかなか言えなかった。自分たちの方が強いと思いながら練習や試合をしていましたが、それを結果で表現しないといけないと思っていました」
2008年生まれで17歳の姫野は千葉県出身の現役高校生だ。実力は折り紙つきで、昨季のJ1昇格プレーオフ準決勝のRB大宮アルディージャ戦(4○3)でプロデビューを果たすと、値千金の同点弾を奪取。千葉の17季ぶりとなるJ1復帰に大きく貢献した。
小学生年代から千葉のアカデミーに所属していた姫野にとって、同県の柏はライバル的な存在だ。背番号37は「レイソルには絶対に負けちゃいけないと言われてきている」と17年ぶりとなるJ1での“千葉ダービー”で、アカデミー時代からの教えを守った。
今年1月31日に行われたプレシーズンマッチの「ちばぎんカップ」以来の対戦となった両者。前半は柏が押し込む展開で、シュート7本を記録。
対する千葉は、40分に左サイドから切り込んでいった姫野がシュートを放つも、ボールは枠を捉えられず。1-2で敗れたちばぎんカップの借りを返したかったが、シュート3本で前半を終えた。
それでも、今季のちばぎんカップとは異なり、先制したのはホームの千葉だった。
48分にペナルティエリア前でボールを受けたMF津久井匠海が右足を振り抜くと、ボールはゴールに吸い込まれた。さらに61分にはコーナーキックからの混戦のなかで、最後はFW石川大地が押し込み追加点を挙げた。
その後に1得点を許し、終盤は柏の猛攻を受けるも、千葉は決死のディフェンスで耐えしのぐ。試合はそのまま2-1で終了し、千葉が明治安田J1百年構想リーグの初勝利を飾った。
姫野にとってもリーグ戦初白星だ。「ちばぎんカップでは負けていたので、勝ててうれしいです」と安堵(あんど)の表情を見せた。
「相手がボールを持つタフなゲームになると分かっていたので、まずはいい守備からは入りました。もちろん得点は決めたかったですが、最低限の仕事はできたと思います。同じカテゴリーになって戦って勝てたので安心しましたし、今回は自信を持って『ジェフの方が強い』と言えるのかなと思います」
千葉はこの勝利で、最下位の10位から7位に浮上。対する柏は9位となっている。5月23日にはアウェイでの“千葉ダービー”も控えているなか、姫野は再戦に向けた心構えを語った。
「レイソルを特別ライバル視するわけじゃないですけど、ずっとレイソルよりも強いと示したいのなら、順位も大事になってくる。より高い順位で、次もレイソルに勝つ必要があると思います」
姫野はアカデミー出身者として、次も、またその次の“千葉ダービー”でも勝利していく。そして胸を張って「ジェフの方が強い」と言い続けてみせる。
取材・文=浅野凜太郎


