ベンチスタートの福島MF泉彩稀と、先発出場していた3歳年上の兄である大宮MF泉柊椰のマッチアップは実現しなかったが、弟は兄の力を見せつけられる形となった。
泉(彩)は「きょうはシンプルにやられたなという思いと、やっぱり柊椰はすごいなという気持ちです。僕が出られていたら、あのシーンは間に合ったのかなとか思いますね」と唇をかんだ。
先発出場した兄の泉(柊)は左サイドで躍動。1-0で迎えた32分には裏に抜け出してボールを受けると、グラウンダークロスでFW山本桜大の3試合連続ゴールをアシスト。64分には相手DF二人の間を突破する圧巻の個人技から、右足シュートでネットを揺らし、今季初得点を記録した。
「弟には負けたくない」と、兄はベンチから試合を見守る泉(彩)を前に躍動。大宮も4得点目を追加し、73分に交代した。
期待された泉兄弟の直接対決はかなわず、泉(彩)は兄と入れ替わるような形で76分に途中出場。ボランチの位置から積極的にボールを受けて奮闘したものの、見せ場をつくることはできなかった。
反撃したい福島だったが、その後に2得点を許して0-6で敗戦。今季から甲南⼤より福島に加入したルーキーの泉(彩)にとっても、悔しい一戦となった。
この日は、二人の母親もスタジアムに駆けつけて試合を観戦。試合後にはお互いのユニフォームを交換して記念撮影を行うなど、兄弟にとって記念すべき一日となったが、二人とも満足はしていない。
一足先にミックスゾーンに現れた泉(柊)は「僕がもうちょっと長く残れたら良かったけど、また次の機会に」とスタジアムを後にし、再び入れ替わるような形で報道陣の前にやって来た弟の泉(彩)は「まず、一番最初に思うのは一緒に出たかったということ。柊椰もそう言ってくれました。ただ、これはサブだった僕の課題です」と矢印を自分に向けた。
兄が高校に入学するタイミングまでは、近所の公園で1対1の対決をしていたという泉兄弟。その後、泉(柊)がヴィッセル神戸U-18に進んだタイミングを境に、二人が顔を合わせる機会は年始に行われる柏田SCの初蹴りに限られていたという。
しかし、今年はどうだろうか。泉(彩)は兄との再戦に燃えている。
泉(彩)は「ホームのときまでに自分の出場時間を増やして、今度は一緒にできるようにしたい」と決意。5月3日に福島のホームで行われる予定の大宮戦でリベンジしてみせる。
取材・文=浅野凜太郎
