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20251116-u17-world-cup-r32-japan©Hiroyuki Sato

日本の17歳は「成功より成長」からの「成功」を目指す。メキシコ始め他国とも交流する新世代チームの今【U-17W杯コラム】

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11月3日からカタールで開催中のU-17ワールドカップを戦うU-17日本代表は、15日に決勝トーナメント1回戦に当たるラウンド32の舞台で、U-17南アフリカ代表と対戦した。A代表を含めて鬼門となっていた「世界大会の1回戦」だが、進境著しい若き日本代表はFW浅田大翔(横浜F・マリノス)の先制点などで3-0と快勝。見事、16強へと駒を進めてみせた。

取材・文=川端暁彦/写真=佐藤博之

■「成功より成長」を重ねたチーム

20251116-u17-world-cup-r32-japan-southafrica-MOTOSUNA Anthony Udemba@Hiroyuki Sato

鹿島アントラーズユースのDF元砂晏翔仁(もとすなアントニー)ウデンバの座右の銘は「成功より成長」だそうである。

 元日本代表の本田圭佑氏によってサッカー界に浸透したこの言葉どおり、U-17日本代表を語る上でも重要な側面だろう。

 昨年からチームを指揮する廣山望監督は、ことあるごとに「成長すること」の重要性、そのための努力の重要性を選手たちに呼び掛けてきた。大会で強敵と当たるたびに、「選手の成長のために、こういう相手と当たれてうれしい」といった発言が指揮官から飛び出すのもよくあることで、「勝ち残るために弱い相手と当たりたい」といった趣旨の発言を聞いたことは一度もない。

 アフリカ王者のモロッコと欧州王者のポルトガルと同居したグループステージは決して簡単な舞台ではなかったし、オセアニア代表のニューカレドニアには日本を“限界リスペクト”した戦いぶりを敷かれて0-0のドローに終わってもいた。ただ、そうした戦いのあとでも、廣山監督の口から出るのは「これで選手がまた成長できる」といった言葉である。

 一方で、それは「成功」、すなわち勝利を軽んじているという意味ではないことも付記しておきたい。3-0の快勝となった南アフリカ戦後に、指揮官はこんな言葉を残している。

「成長はキーワードです。ここに来ている選手は大会中に成長するし、成長のきっかけにする大会でもあると思っています。そのためには絶対に自信が必要でもあるんです。だから、本当にこういう戦いを続けていくことが、今後の成長につながるきっかけにもなると思います。そして勝ち上がれば、勝ち上がるほどその土台はデカくなる。我々の責任として、『デカくしてあげたい』というのがあります」

 勝つことでタフな試合経験をより重ねることもできるし、自信を掴むこともできる。そして選手個々が自信を掴むことが、勝利を近づけることにも繋がっていく。「成功より成長」という一面は確かにありつつ、「成長が成功を生む」サイクルにもなっているように感じる。

「自分の武器をこの舞台で出せ」ということも廣山監督は繰り返し選手たちに言っているが、それは「自分の武器が世界に通じる」と選手が感じて自信を持つことが、さらなる成長の原動力となるという確信があるからだろう。

 アジア予選では苦汁も飲み干すこととなったチームだが、その苦味もしっかり成長へのエネルギーに置換してここまで上がってきた。

■メキシコはじめ他国代表とも積極的に交流

20251116-u17-world-cup-japan@Hiroyuki Sato

「選手の成長に繋がる」と指揮官が喜んでいたのは、今大会の環境面についても同じだ。

 48チーム開催になって“フェスティバル形式”となった今大会は、善くも悪くも“ちゃんとしていた(形式張っていた、とも言える”大会を、ユース年代の大会らしいラフな形に再編して開催されている)。

 日本のホテルは10カ国のチームが泊まっているような環境だが、指揮官は「これがいいですよね。自分がワールドユース(現在のU-20W杯。1997年)に出た時代は、こういう形に近かった」と笑って言う。

 実際、食事会場が隣のテーブルだったU-17メキシコ代表とすっかり仲良くなってしまい、いまでは相互に応援し合う間柄になったりもしている。

 こうなったのはアメリカ育ちの日本の主将であるGK村松秀司(ロサンゼルスFC)がいたことが大きいのだが、そうした交流が起こることを「成長につながる」と歓迎する廣山監督の姿勢もあってこそのものだった。

 また廣山監督自身もスペイン語を話せる上に、チームスタッフにもスペイン語に堪能な俊英がいたことも、こうした交流に拍車をかけることに繋がったようだ。メキシコと仲良くなったというだけでなく、各国代表の選手と卓球対決をするなど、ほかでも交流の輪が拡がっているそうである。

 もっとも、決勝トーナメント1回戦を勝ち抜いたこの時点を安易に「成功」と呼ぶべきではないだろう。16強というステージ自体は、これまで何度も到達してきたものだからだ。

 あらためてここから個々人もチームも「成長」をさらに獲得し、その力をもって「成功」を掴み取っていけるかどうか。次の相手は、U-17北朝鮮代表と決まった。19日の夜(日本時間24時15分)から始まるラウンド16の戦いは、あらためてチームの「成長」が問われる舞台となる。

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