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JFA、“構造的いじめ”判明の仙台育英からの高校サッカー選手権辞退の連絡を報告…宮城県代表の取扱については「現在調整中」

日本サッカー協会(JFA)は14日、11日に公益財団法人全国高等学校体育連盟及び、同協会に対して第104回全国高校サッカー選手権大会の宮城県代表チームである仙台育英学園高校から出場を辞退する旨の連絡があったことを報告している。なお、宮城県代表の取扱について現在調整中とのこと。

2日に行われた第104回全国高校サッカー選手権大会宮城予選の決勝で、聖和学園を2-1で下して2年ぶり38回目となる全国大会出場を決めた仙台育英。しかし、4日に一部報道機関が「仙台育英サッカー部で『いじめ重大事態』全国大会出場は未定 生徒が暴言受け抑うつ症状に」と報道。同校は5日に「生徒より情報提供のあった2024年5月より『いじめ防止対策推進法』に基づき保護を継続して参りましたが、生徒の了承が得られた2025年10月以降は『いじめ防止対策推進法』に基づき調査をしている」ことを報告していた。

そして12日、10月11日に当該生徒に2024年5月までの事案に対する多大な心理的苦痛がみられたことから、本学園は『いじめの重大事態』として認知し、10月14日から関係機関と再度連携を開始、29日には当該生徒から2024年5月の情報に関わる詳細情報と詳細調査の了承が得られたことから、同校サッカー部の3年次の生徒延べ53名に対して、同校のいじめ防止対策推進委員会が詳細な聞き取り調査を実施していたことを報告していた。同時に当時関係していた顧問団への詳細な聞き取り調査も行ったという。

これにより、「必ずしも一部の生徒だけに限られたいじめ事案ではなく、サッカー部全体、顧問団ならびに生徒の人権意識が不十分なために、『構造的いじめ』を生じさせ、これを見逃してしまう体制であった」ことが明らかに。「具体的には、部内規律の名のもとに、遅刻や無断欠席などの部内ルール違反や練習時におけるノルマ不達成に対して連帯責任での罰則が慣例化する中、その罰則の回避のために意図せずして一時期の資質・能力によって生徒間の上下関係が固定化し、特定の生徒が集団から疎外され、いじりや過剰な注意、さらに強要につながるといったことが確認できました」と伝えている。

その後、今回の事案の理解に至るまでの調査が宮城県予選決勝戦前に完了しなかったことから、「生徒の特定といった新たな人権侵害を生まないために、被害に遭った生徒・保護者に事情を説明した上で全部員での決勝戦出場ならびに観戦を認めた経緯があります」と説明した後、「しかしながら、調査によって確認できた内容を踏まえると、人権意識の適切かつ十分な理解が顧問団ならびに生徒になければ、今後も同様の事案発生が起こり得ると判断しております」とし、「2025年12月末まで顧問団への人権意識の適切な理解を深める研修と、その顧問団が生徒一人ひとりと丁寧な二者面談を通じて人権意識を指導する時間を設けるために、12月末まで体育会サッカー部の対外活動停止(12月28日から開催される第104 回全国高校サッカー選手権大会を含む12月末までの各大会への出場辞退および対外練習試合の中止)を行います」と第104回全国高校サッカー選手権大会への出場辞退を発表していた。

同大会の組み合わせ抽選会は17日に実施。12月28日に開幕する。

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