日本代表は28日、9月のアメリカ遠征メンバーを発表した。
2026年の北中米ワールドカップ(W杯)出場権を掴み、“優勝”という高い目標を掲げる日本。来たる9月は本大会が行われるアメリカにて、開催国となるメキシコ代表(6日)、アメリカ代表(9日)とのテストマッチに臨む。
本番を前に気候や移動を経験できる点でも意義の大きな遠征だが、森保一監督は「まだドローが終わったわけではなく、どこで試合をやるというのも決まっていないので、すべてW杯想定というわけはないと思います」とし、こう述べる。
「アメリカの地に立って試合をするという雰囲気を感じ、想像できるのは来年に向けてモチベーションを上げる意味で非常に大きなところ。1試合目から2試合目は西から東に移動するので、アメリカ国内でも3時間の時差があります。時差や気候の違いにアジャストしながら最高のコンディションを作って戦わなければならないというのは想定になるかと思います」
そんな日本は今活動に25選手を招集したが、町田浩樹や伊藤洋輝、鎌田大地、田中碧、守田英正、中村敬斗といったコアメンバーに不在者も。指揮官は「ケガに関しては選手たちが一番痛くて、つらい思い」と思いやり、言葉を続けた。
「ケガ人であったり、さまざまな理由で招集できなかったり、コンディションが上がらなかったりという選手はいると思っていますし、予定はあくまでも予定であって、現実のなかで何ができるかというところでケガ人が出てチーム編成が難しくなったのは否めないですが、もともと選手の選択肢の幅が広がっているので、選考が難しい状況にあったのも事実です」
「そのなかで、経験値の高い選手たちがケガをして、経験値が低い選手を招集してプレーすることになるが、自分がやってやろうと思っている選手が出てきて経験値を上げて、その選手の成長が我々代表チーム、所属チームの力になってくるというのがあると思うので、そこに期待したいです」
また、ケガ人の多さにも「現実しかない」と繰り返し、「本人にとっても、チームにとっても痛いが、現実のなかでどうベストを尽くせるかというのが基本的にあるので、私自身は困ったというよりも何をベストとしてやれるか、何を成長させられるか、このメンバーでどういう結果を出せるかを自然と考えています」とも述べた。
その上で「来年のW杯に向けてというところで、いわゆるコアメンバー、多く招集した選手、所属チーム等々を考えたときに本大会で選ばれる予想、想像があるなかで活動をしているが、最終的に誰が選ばれるか、本大会で誰がプレーできるかもそのときの現実になってみないとわからないと思って準備をしています」とも語った。
そして、「これからもケガ人が出て、いろんなアクシデントがあるなかで何ができるかというのをより準備していけるよう、これまでもできるだけ多くの選手を招集させてもらい、選手層の幅、チーム作りの土台を広げながら、最強、最高のチームを本大会に作れるようにと思って活動してきたので、これからも1回1回の活動でベストを尽くしたいです」と力を込めた。
森保監督は「2試合とも完全アウェイといってもおかしくないような状況で試合をすると思うが、厳しい戦いのなかでも勝って『日本、手ごわいぞ』と感じてもらえたら」との意気込みも。日本が本大会の地でどんな戦いを披露するのか注目だ。

