20日、明治安田J2リーグ第35節で清水エスパルスとモンテディオ山形が対戦した。
2位につける清水は今節勝利すれば、他会場の結果を待たずに自動昇格となり、3シーズンぶりのJ1リーグ復帰が決まる中、7位の山形をホームに迎えた。
試合は序盤から清水が攻勢に出る中、32分にビッグチャンス。ボックス左でセカンドボールに反応した乾貴士がふわりと浮かしてゴール前にパスを送り、宮本航汰が頭で合わせるも、GK後藤雅明に至近距離の中で左手一本で防がれる。
清水は仮にこの試合を引き分け以下で終わっても、ほぼ同時刻にキックオフを迎えたブラウブリッツ秋田vsV・ファーレン長崎の結果次第では2位以上が確定。しかし、ハーフタイム終了時点では3位の長崎が2-1でリードしているため、このままいけば今節での昇格はお預けに。
ゴールレスで試合を折り返すと、清水は引き続き攻勢に出る。63分にはボックス右でパスを受けた原輝綺が右足で強烈なシュートを放つが、GK後藤がパンチングでセーブする。
なかなか山形の牙城を崩せない清水は65分、宇野禅斗に代えて中村亮太朗を投入。70分にはボックス左手前で乾が縦パスを受けると、北川航也のフリーランでボックス手前中央にスペースができる。これを見逃さなかった乾のパスをルーカス・ブラガが受け、ボックス内に侵入したが、山田拓巳の寄せに遭い、決めきることができない。
それでも迎えた75分、この日18284人という今季最多の入場者数を更新したIAIスタジアム日本平に歓喜の瞬間が訪れる。途中出場の矢島慎也が右サイドからクロスを送ると、ボックス内やや浅い位置で収めたカルリーニョス・ジュニオが右足シュート。これはGK後藤に弾かれるも、エースの北川がいち早く反応し、押し込んだ。
欲しかった先制点をついに奪った清水。しかし、喜びもつかの間、山形がすぐさま反撃に出ると79分、一本のロングボールで坂本亘基がボックス左に侵攻し、キープから横パス。これを受けた高橋潤哉がゴールエリアから左足を振り抜いて、GK権田修一のニアサイドを射抜いた。
これでスコアは振り出しに。今節で昇格を決めたい清水は85分、高木践、西澤健太、ドウグラス・タンキの3枚を同時投入する。
だが、勝利の女神が微笑んだのは山形だった。87分、ボックス右手前でFKを獲得すると、小西雄大がファーサイドにクロスボールを供給。古巣対戦の後藤優介が頭で叩き込み、ゴールネットを揺らした。
このゴールで山形が逆転勝利。秋田vs長崎も2-1で長崎が勝利したため、清水は3試合未勝利で今節もJ1昇格はお預けに。また、今季初のアイスタでの敗戦を喫している。一方の山形はJ1昇格プレーオフ出場に向けて大きな勝ち点3を獲得している。