20220107makinoadidas

槙野智章、女子サッカーを語る。「選手が入り口。興味を伝えるきっかけづくりを」

来季からヴィッセル神戸でプレーする槙野智章が、女子サッカーについて語った。

28日、アディダスとヒマラヤは、抽選で選ばれた小中学生の参加者に槙野がサッカー上達のコツを教えるオンラインイベント『HIMARAYAスポーツ上達アカデミー』を実施。特別講師である槙野へ子どもたちがさまざまな質問をぶつけたイベントは盛況のうちに終了した。この場には少年だけではなく少女たちも多く参加していた。

イベント終了後、女子サッカーの普及について意見を聞いた。

「先日、浦和レッズのレディースチームで講演をさせてもらった。同じサッカーをしている身として、一緒に盛り上げていきたいという思いもある」と語った槙野。

「やはり彼女たちもサッカーが大好きでうまくなりたいと思うベクトルは僕らと一緒。練習してきたことや、刺激を受けたこと、これで変われたという部分を直接彼女たちに伝えた。そのことによって、彼女たちの意識が変わるきっかけになれば嬉しい」とカテゴリーの違いはあれど、目指すものは同じと強調する。

また、女子選手自身と直接対面したからこそ感じた「足りない部分」についても言及した。

「WEリーグは開幕して1年目。もっといろんな選手が、個人として、チームとしてももっと企画を発信をするべき。『お客さんにきてほしいです。サッカー楽しいです』ではサッカーを知っている人にしか通じない。もっとみんなが入り口を作って、サッカーに興味を持たせるきっかけづくりが必要だと思う。女子の選手たちも、もっといろんなことすればいいのになと感じました」

Jリーグの選手の中でも、圧倒的なイベント量をこなし、オウンドメディアで発信を続ける槙野だからこそできるアドバイスだと言える。集客の部分で伸び悩むWEリーグの入り口を作りは、「選手でももっとできる」。このパワーワードは、女子選手それぞれに新たな意識を植え付けたことだろう。

なでしこジャパンの池田咲紀子は、この急遽行われた特別講演について「サッカー選手という核を忘れてはいけない。自分の体を大切にし、気持ちのコントロールをしなくてはいけないと話してくれた。選手の中でもそういった部分を意識してみようという選手も多くいたし、プロとなったレディースチームにとってとてもいい時間だった」と話した。

また、今後のエンタテインメントとしての「サッカー」についても確固とした意見を持つ。

「ピッチ外では、鹿島アントラーズとメルカリ、FC東京とmixi、ヴィッセル神戸と楽天というように企業が様々な動きをしている。スタジアムの指定管理を行うクラブも増えてきた。サッカーの認知のために、サッカー以外のイベントや地域密着の活動などを通じて、サッカーに興味がなかった人たちへの仕掛けができてきていることは、ものすごく大事。それは、どのチームもお客さんを入れる上で、やらなきゃいけない策だと思います」

「ピッチ内で選手が求められていることは、近年ヨーロッパへ流れている選手が多くいる中で、残った選手たちがもう少しお客さんが喜ぶようなサッカーを展開していくことだと思います。ヨーロッパに近いモチベーションで、クオリティ高いサッカーを展開していかなくてはいけない。魅せていかなくてはいけない。サッカーファンにアクションを起こすのももちろんですが、興味のない人たちにどうやったら『サッカーを見に行きたい』と思ってもらうのか。思ってもらえるためのアクションを選手は起こさなくてはいけないと思います」

男子女子に共通する認知面の課題を、俯瞰的な目線で説明してくれた槙野。ファンがいるのは当たり前ではない。ファンは勝手に来るものではない。選手へ向けられたエクストラワークにも感じてしまうSNS含めた「発信」の重要性。クラブの枠を超えたさらなる活動が、Jリーグ、WEリーグ発展のためだと熱を持って語った。

槙野劇場は決して、彼のキャラクターだけで生まれたものではないと感じられるサッカーへのエールだった。

広告

ENJOYED THIS STORY?

Add GOAL.com as a preferred source on Google to see more of our reporting

0